20.リラックスはどこまで言えるか

Ⅰ.単回摂取のエビデンス

リラックスに関してはこれまでGABAに関して、精神的ストレスとセットの形で一時的・短期間のものが認められてきました。

つまり―

  1. 「デスクワークに伴う短時間の精神ストレスの軽減およびリラックス作用」(D434、E479)
  2. 「仕事や勉強などによる一時的な精神的ストレスや疲労感の緩和およびリラックス作用」(G1272)

届出番号G1272「シボリーナ ドリップコーヒー」
株式会社ニッセン

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「本品にはコーヒー由来クロロゲン酸類、GABAが含まれます。コーヒー由来クロロゲン酸類には肥満気味の方の高めのBMI[体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数]の改善に役立つ機能、GABAには(1)血圧が高めの方の血圧を下げる機能、(2)仕事や勉強などによる一時的な精神的ストレスや疲労感の緩和およびリラックス作用、(3)肌の乾燥が気になる方の肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能が報告されています。」

Ⅱ.継続摂取のエビデンス

G1272は単回摂取の事例ですが、リラックス作用の主観評価のアウトカムに、継続摂取のエビデンスが含まれています。

吉田 慎一, 原本 正文, 福田 朋彦, 水野 英則, 田中 藍子, 西村 三恵, ほか. 北海道産gaba富化米の最適製造条件の設定とヒトへの抗ストレス作用. 日本食品科学工学会誌. 2015年;62(2):95–103.

 

GABA17 mgを含有するGABA富化炊飯米又はプラセボを1日1回摂取,摂取期間: 8週間

GABA17mgと低用量であることは良いのですが、8週間の継続摂取で、精神的ストレスの負荷も無しという試験デザインとなっています。このためG1272では採用してはいますが、この論文に依拠はしていません。

今後、この論文を使って継続性のあるリラックス訴求が出てくると面白いのではないでしょうか。