6.医薬品成分の機能性関与成分化

1.経緯

医薬品成分が機能性関与成分として認めれらるようになった経緯として、厚労省 Q&A:「医薬品の範囲に関する基準」に関するQ&Aについて(平成 31 年 3 月 15日)の通知があります。次のような内容のものです。

2.事例

医薬品成分を機能性関与成分とした事例の第一号はファンケルさんのE294「カロリミット a」です。桑の葉イミノシュガーとして3つの成分を一つまとめていますが、そのうちの一つが医薬品成分である「DNJ」となっています。

次に受理されたのがF583「発芽玄米の底力」の「γ-オリザノール」です。届出表示においては、「血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分」と表現されていて、「γ-オリザノール」の名称を直接は言っていないことが特徴です。

そして3例目が、F740「OSK(オーエスケー)粉末桑茶」です。機能性関与成分である桑由来モラノリンは、「DNJ」の別名です。E294では、構成成分の一つという位置づけでしたが、F740は「DNJ」そのものを機能性関与成分としていると言えます。
また、F740では、医薬品成分であるモラノリンを機能性関与成分とすることの妥当性について、上述した厚労省通知を踏まえて明確に説明していることが特徴と言えます。
さらに、F583と同様に届出表示においてモラノリンは直接記載せず、「桑由来の成分」としています。
届出表示において医薬品成分名を直接記載しないのは、含有する医薬品成分を強調してはならないというルールによるものでしょう。

届出番号
E294
F583
F740
商品名カロリミット a発芽玄米の底力OSK(オーエスケー)粉末桑茶
届出者ファンケルSBIアラプロモ小谷穀粉
届出表示本品には桑の葉イミノシュガー・キトサン・茶花サポニンが含まれます。本品は、食事の糖や脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値と血中中性脂肪値の上昇を抑える機能があります。本品は糖、脂肪が多い食事をとりがちな方に適しています。本品はGABAを含みます。GABAは、血圧が高めの方の血圧を下げる機能が報告されています。また本品は、血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分を含みます。本品は、糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇を緩やかにする機能があることが報告されている桑由来の成分が含まれています。
機能性関与成分桑の葉イミノシュガー・キトサン・茶花サポニンGABA、γ-オリザノール桑由来モラノリン
商品画像カロリミット発芽玄米の底力OSK粉末桑茶
備考医薬品成分であるDNJは、桑の葉イミノシュガーを構成する成分の一つ届出表示では、医薬品成分である「γ-オリザノール」とは記載されず、「血中の中性脂肪や総コレステロールを低下させる機能が報告されている成分」とされている「モラノリン」は医薬品成分であるDNJの別名。届出表示では「桑由来の成分」と記載されている