今日は「QOLの維持」というヘルスクレームが認められるか?考えてみます。
1.ヘルスクレーム
この系統のヘルスクレームとしては、GABAに関し、「一時的に落ち込んだ気分を前向きにする〔活気・活力感 (積極的な気分、生き生きとした気分、やる気など)の低下を軽減する〕機能が あること」というヘルスクレームが認められています。
たとえば、G388がそれです。
届出番号G388「純正GABA c 」
株式会社Bella Pelle
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「本品には、GABAが含まれます。GABAには、血圧が高めの方の血圧を下げる機能、肌の乾燥が気になる方の肌の弾力を維持し肌の健康を守るのを助ける機能、仕事や勉強などによる一時的な精神的ストレスや疲労感を緩和する機能、一時的に落ち込んだ気分を前向きにする〔活気・活力感(積極的な気分、いきいきとした気分、やる気など)の低下を軽減する〕機能、睡眠の質(眠りの深さ)の向上に役立つ機能、すっきりとした目覚めをサポートする機能があることが報告されています。」
2.エビデンスの指標
使われているエビデンスの指標は、POMS2-AS 。POMS2-AS は、Positive Mood や Negative Mood といった気分の主観的側面の評価に用いら れており、国内外において学術的に広くコンセンサスが得られているので、主観的評価指標に関して問われる「一般的妥当性」は問題ありません。
G388のSRでは、
” POMS2-AS は、質問票の項目から 7 つの気分尺度(「怒り―敵意」「混乱―当惑」 「抑うつ―落ち込み」「疲労―無気力」「緊張―不安」「活気―活力」「友好」)を 点数化し、標準化された得点と比較し個人の気分の状態を主観的に評価する方法 で、被験者が置かれた条件によって変化する“一時的な”気分・感情を測定でき る特徴を持つ。”
この「一時的な」がミソで、この限定がないと、疾病ゾーンと評価されると思います。
このSRも消費者庁とのやり取りの過程で、この限定を付けるに至ったのではないか、という気もします。
そういう風に考えると、「QOLの維持」は一時的でもないので、難しいように思います。