機能性表示最新情報 330号 /  細胞の抗酸化作用

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I930 セサミンバイタル

「本品には、セサミン類、アスタキサンチンが

含まれます。抗酸化作用を持つセサミン類、

細胞の抗酸化作用を持つアスタキサンチンには、

加齢に伴い疲労を感じやすくなっている健常な

中高年の方の日常生活における一時的な疲労感

を軽減する機能が報告されています。 抗酸化

作用を持つセサミン類には、日常生活において

疲れを感じている健常な中高年の方の寝覚めと

いう体調を良好に保つ機能があることが報告さ

れています。」

サントリーさんのセサミンの新たな商品のよう

です。過去には、TVCMでおなじみのA246サント

リー セサミンEXや、G139快眠セサミンがあ

りました。この二つは睡眠を訴求したものでし

たが、今回のI930はそれに加えて疲労感訴求を

行っています。

特に目を引くのは、「抗酸化作用を持つセサ

ミン類、細胞の抗酸化作用を持つアスタキサン

チン」や「加齢に伴い疲労を感じやすくなって

いる」という表現です。これらは初出の表現で

あり、かなり攻めた表現という感じがします。

ではどうやってこの表現を導いているのでしょ

うか。疲労感SRの採用文献は山崎2022の1報で、

疲労感の指標としては疲労感VASのみというシ

ンプルさです。

また、その疲労感VASにしても4週目で群間有意

差あり、8週目では有意差なし(有意傾向)と

いう微妙な結果。「細胞の抗酸化」やら、

「加齢に伴い疲労を感じやすくなっている」と

いう表現を導くものではありません。届出表示

の文言からもわかるように、I930の機能性は疲

労感の軽減であって、それ以外の部分は作用機

序に当たります。

別紙様式5ー3では、「加齢による疲労感と細

胞機能変化との関係性について 」として、こ

の作用機序について説明しています。簡単にま

とめるとこうです。

(1)若年層に比べて老年層では疲労しやすく、

その原因としては、酸化ストレスやエネルギー

代謝の低下などが考えられる。

(2)加齢により生体内の酸化ストレスが高ま

ることでミトコンドリアにおけるエネルギー代

謝は低下する

(3)酸化ストレスによる細胞内のエネルギー

代謝の低下は、抗酸化作用により酸化ストレス

障害を低減させることで回復する

また、別紙様式7-1の作用機序にも同様のこ

とが、より細かく記載されています。疲労感

VASのみの結果から、ずいぶんと膨らませた届

出表示だな、という感じはしますが、作用機序

を届出表示に入れ込むためにはヒト試験の結果

が必要となるので、相応にエビデンスは用意し

ているというところのようですね。