機能性表示最新情報 331号 /  オリーブ由来 ヒドロキシチロソール再登場

こんにちは。YDCのミッシーです。

それではさっそく今回の機能性表示最新情報を

ご紹介します。

I980 4つの健康数値をサポートする緑黄色野

菜ミックスa

「本品には難消化性デキストリン(食物繊維)、

オリーブ由来ヒドロキシチロソール及びγ‐ア

ミノ酪酸(GABA)が含まれます。難消化性デキス

トリン(食物繊維)は、食事から摂取した糖や脂

肪の吸収を抑えるので、食後の血糖値や血中中

性脂肪値の上昇を抑制することが報告されてい

ます。オリーブ由来ヒドロキシチロソールは抗

酸化作用を持ち、血中のLDLコレステロール(悪

玉コレステロール)が酸化され、酸化LDLコレス

テロールになることを抑制することが報告され

ています。γ‐アミノ酪酸(GABA)は血圧が高め

の方の血圧を下げることが報告されていま

す。」

オリーブ由来ヒドロキシチロソールは、昨年の

さくらフォレスト事件においてSRの不備を指摘

され、その後採用している全社が届出を撤回す

るに至った成分の一つです。この時の訴求もコ

レステロールでした。そのオリーブ由来ヒドロ

キシチロソール再登場ということになります。

届出者はファンケルさんです。ファンケルさん

にはI980の前身となった以下の商品があります。

H13  4つの健康数値をサポートする緑黄色野

菜ミックス

「本品には難消化性デキストリン(食物繊維)、

オリーブ由来ヒドロキシチロソール及びγ-ア

ミノ酪酸(GABA)が含まれます。難消化性デキス

トリン(食物繊維)は、食事から摂取した糖や脂

肪の吸収を抑えるので、食後の血糖値や血中中

性脂肪値の上昇を抑制することが報告されてい

ます。オリーブ由来ヒドロキシチロソールは抗

酸化作用を持ち、血中のLDLコレステロール(悪

玉コレステロール)が酸化され、酸化LDLコレス

テロールになることを抑制することが報告され

ています。γ-アミノ酪酸(GABA)は血圧が高め

の方の血圧を下げることが報告されていま

す。」

H13はさくらフォレスト問題に該当する事例で

す。現在、まだ撤回はされていないようですが、

今回の受理を受けて、撤回、そしてI980への切

り替えへ進むことが想定されます。しかし、

H13とI980はなにが違うのでしょうか?

H13はオリーブ由来ヒドロキシチロソール

5.25mg配合で、採用文献は下記の3報

(1)Vazquez-Velasco M2011、(2)de la

Torre-Carbot K2010、(3)Mateos R2016

一方、I980でも配合量は同じく5.25mg配合で採

用文献は下記の3報

(1)de la Torre-Carbot K2010、(2)

Mateos R2016、(3)MI Covas2006

さらにメタアナリシスを実施した上で、SR自体

を査読誌に投稿しています。

さくらフォレスト事件の時の指摘として、

「ベースライン(摂取時)がプラセボ群より被

験食摂取群の方が低いことが影響している可能

性がある。これらを踏まえても、totality of

evidenceの判断が適切になされているといえる

か。」というものがありました。これはMateos

R2016を対象としたコメントなので、I980も同

様に該当することになります。

これに対してI980は、メタアナリシスを実施し

た上で有効であるとしているので、totality

of evidenceを考慮したものであると言えるで

しょう。また、Mateos R2016よりも有効量の低

いMI Covas2006が加わっていることもサポート

になります(外されたVazquez-Velasco M2011

は有効量が極端に多いので影響はないと思われ

ます)。

こういう書き方をすると、I980のSR(査読付き

論文)がさくらフォレスト問題への対策として

作られたように見えますが、論文の刊行は2020

年12月なのでそれとは関係ないもののようです。

そもそも撤回となったオリーブ由来ヒドロキシ

チロソールのSRは三菱ケミカル社によるもので

したが、I980のSR(査読付き論文)は丸善製薬

社によるものとなっています。どういう経緯で

作成されたのか気になりますね。