機能性表示最新情報 329号 /  「乾燥時期に おける」の意味は?

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I838 ラクトビオン酸+(プラス)大豆イソフ

ラボン プルルプレミアム

「本品には大豆イソフラボンとラクトビオン酸

が含まれます。大豆イソフラボンとラクトビオ

ン酸には、同時に摂取することにより、肌の乾

燥が気になる女性の乾燥時期における肌の水分

量やバリア機能(うるおいを保つ力)、および

弾力を維持することで、肌の健康を守るのを助

ける機能があることが報告されています。」

今回注目したいのは「肌の乾燥が気になる女性

の乾燥時期における」という表現です。言って

いることは理解できますが、なんだか中途半端

なトートロジーのような座りの悪さがあります。

なぜ、こういった表現になっているのでしょう

か?

I838は1報(赤木2022)採用のSRで、この試験

の被験者は「肌の乾燥が気になっている30 歳

以上の健常な女性」となっています。この点か

ら考えると問題の表現の前半部分「肌の乾燥が

気になる女性」は、至極当然の書き方というこ

とになります。

では「乾燥時期における」は何から来たので

しょうか。カンの良い方であれば、冬場にでも

試験したのだろう、と思いつくかもしれません。

それは実に惜しいところです。

採用文献の赤木2022では、保湿機能の指標とし

て角質水分量(左頬)、(左脛)、経皮水分量

(左脛)の3つを取り上げています。それぞれ

4週、8週、12週で測定をしていますが、群

間有意差があるのは4週のみという残念な結果。

そこで登場するのが「乾燥時期」です。別紙様

式5-4には以下のようにあります。

「採用論文の試験は冬から春にかけて実施して

おり、摂取4週目が年間を通して最も乾燥する2

月であり、その後12週目にかけて乾燥が和らい

でくることから、8週目および12週目では検出

され難くなっていたと考えられる。有意差が確

認されている時期を鑑みて、表示しようとする

機能性には「乾燥時期における」と表示するこ

ととした。」

ちょっと苦しい感じはありますね。

ところで、I838は弾力の機能性もありますがこ

れは別のSRになっています。ただこのSRも同

じ赤木2022が採用論文です。効果指標としては、

肌弾力ではよく採用されるキュートメーターに

よる、R1、2、5、7という指標です。

ただこちらの場合、4週目には群間有意差がな

く、8週と12週は群間有意差ありという真逆

の結果になっています。保湿と弾力の両者のエ

ビデンスが同じ論文であることを考えると、ど

うにも整合性が良くない感じがしますね。