弁護士出身の実業家・林田です。
今日のテーマはオリーブ由来ヒドロキシチロソ
ールです。
これを関与成分とし、コレステロールをヘルス
クレームとするSRが、さくらフォレスト事件
で問題となったことはご存知のとおりです。
最近、「ヒドロキシチロソール→コレステロー
ル」で受理されたI980(届出者はファンケル
社、SR作成者は丸善製薬社>表示見本)は
なかなか興味深いものがありますので、今回
はそれを取り上げたいと思います。
1.さくらフォレスト事件で問題となったSR
(三菱ケミカル社)は、
(1)Vazquez-Velasco M2011
(2)de la Torre-Carbot K2010
(3)Mateos R2016
を採用していましたが、(3)について、次の
ような指摘が行われています。
「一日あたりの摂取目安量5.25mgと同量の試
験結果である論-3は、酸化LLコレステロール
の有意な低下が認められたのは、摂取後30 分
後及び4時間後の時点のみであるが、いずれ
もベースライン(摂取時)がプラセボ群より被
験食摂取群の方が低いことが影響している可
能性がある。これらを踏まえても、totality of
evidenceの判断が適切になされているといえ
るか」
2.I980
イ.採用文献は
(A)de la Torre-Carbot K2010
(B)Mateos R2016
(C)MI Covas2006
(3)=(B)では戦えないと見て、(C)を投
入しています。
ロ.しかし、(C)は論文中ヒドロキシチロソ
ールの有効量の値がはっきりしません。
ハ.ところがメタアナリシスでは、(C)に関し、
1.58mg、0.713mgという値を出し、結局、
メタアナで有意差ありと結論付けています。
3.何となくメタアナで魔法にかけられた気が
します。