機能性表示水面下情報~233号~ メタアナのマジック

弁護士出身の実業家・林田です。

 

今日のテーマはオリーブ由来ヒドロキシチロソ

ールです。

これを関与成分とし、コレステロールをヘルス

クレームとするSRが、さくらフォレスト事件

で問題となったことはご存知のとおりです。

最近、「ヒドロキシチロソール→コレステロー

ル」で受理されたI980(届出者はファンケル

社、SR作成者は丸善製薬社>表示見本)は

なかなか興味深いものがありますので、今回

はそれを取り上げたいと思います。

1.さくらフォレスト事件で問題となったSR

(三菱ケミカル社)は、

 (1)Vazquez-Velasco M2011

 (2)de la Torre-Carbot K2010

 (3)Mateos R2016

を採用していましたが、(3)について、次の

ような指摘が行われています。

「一日あたりの摂取目安量5.25mgと同量の試

験結果である論-3は、酸化LLコレステロール

の有意な低下が認められたのは、摂取後30 分

後及び4時間後の時点のみであるが、いずれ

もベースライン(摂取時)がプラセボ群より被

験食摂取群の方が低いことが影響している可

能性がある。これらを踏まえても、totality of

evidenceの判断が適切になされているといえ

るか」

2.I980

イ.採用文献は

 (A)de la Torre-Carbot K2010

 (B)Mateos R2016

 (C)MI Covas2006

(3)=(B)では戦えないと見て、(C)を投

入しています。

ロ.しかし、(C)は論文中ヒドロキシチロソ

ールの有効量の値がはっきりしません。

ハ.ところがメタアナリシスでは、(C)に関し、

1.58mg、0.713mgという値を出し、結局、

メタアナで有意差ありと結論付けています。

3.何となくメタアナで魔法にかけられた気が

します。