機能性表示最新情報 328号 /  サフラン・睡 眠の新事例

こんにちは。YDCのミッシーです。

本年もよろしくお願いいたします。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I872  オリザ サフランa

「本品にはサフラン由来クロシンが含まれます。

サフラン由来クロシンには、睡眠の質が低いと

感じている方の深睡眠をすみやかにもたらし、

睡眠の質(寝つき、ぐっすり眠れること、眠り

が深いこと、睡眠中に目が覚めないこと)を高

める機能、すっきりと目覚められる機能が報告

されています。」

サフランで睡眠訴求をする事例はこれまでにも

いくつかありました。例えばヱスビー食品さん

の以下の事例です。

E821 スパイスサプリ サフラン

「本品にはサフラン由来クロシン、サフラン由

来サフラナールが含まれます。サフラン由来ク

ロシン、サフラン由来サフラナールには、睡眠

の質が低いと感じている方の活動時の眠気を軽

減させ物事をやり遂げるのに必要な意欲を維持

させる機能があることが報告されています。」

比較してみると、I872ではサフラン由来サフラ

ナールが機能性関与成分ではなく、届出表示の

内容も異なることが分かります。

それぞれの採用文献は次の通りで、共通するの

はNishide2018のみです。ただこのNishide2018

は、「日中覚醒困難」しか有意差が出ていませ

ん。また、E821が採用しているもう1報、

Graham Kell2017はどの項目でも有意差なしの

結果となっています。

I872

(1)Lopresti2020、(2)Takeda2020、

(3)Nishide2018

E821

(1)Nishide2018、(2)Graham Kell2017

一方、I872ではGraham Kell2017は、「対象者

が活気活力がない方であり、PICOと合致しない

ため。」という理由で除外(PICOの対象者は

「健常な成人男女」)。Takeda2020に焦点を当

てて脳波測定の値からE821にはない、「寝つき、

ぐっすり眠れること、眠りが深いこと」を導い

ていました。

よって、届出表示の違いは、完全に採用文献の

違いによるものであることが分かります。では、

機能性関与成分サフラン由来サフラナールの有

無はどうでしょうか。

I872の作用機序に以下の記載があります。

「サフラン中に含まれる成分としては、「クロ

シン」と「サフラナール」の2成分による睡眠

の効果が報告されている。「サフラナール」は

医薬品であるペントバルビタール

(pentobarbital) との併用によりノンレム睡

眠を増加させることが報告されているが、単独

では睡眠に影響を与えないことが報告されてい

る。一方、「クロシン」はクロシンのみの投与

で睡眠の質を改善効果が報告されていることか

ら、サフラン抽出物中の睡眠の質改善作用を有

する成分はクロシンのみであると考えられ

る。」

この記載を見ると、サフラン由来クロシンのみ

を機能性関与成分とするI872も十分妥当と言え

そうですね。