こんにちは。YDCのミッシーです。
早いもので、もう年の瀬です。今年1年の機能
性表示を振り返ってみると、なかなか波乱万丈
な年だったのではないか、という感じがします。
とりわけ印象に残るのは、さくらフォレスト事
件と、SRへのPRISMA2020の導入の二つで
はないでしょうか。
さくらフォレスト事件以降、さらに別の商品で
ハハハラボ社、アリュール社が措置命令を受け
ています。これまでのところ機能性表示食品に
対する措置命令は4件で、最初が葛の花由来イ
ソフラボン事件、残りの3件はすべて今年の出
来事ということになります。
措置命令などは例年、年度末の3月に向けて増
えていく傾向のようですし、昨年認知機能の大
規模な行政指導が行われたのも年度末でしたか
ら、皆さまお気を付けください。
ところで、措置命令やSRへの大きな変更などあ
ると、これまでのケースでは受理件数が大きく
落ち込むことが多かったわけですが、今年につ
いては今のところその気配は伺えません。それ
どころか、過去最多のペースで受理されている
ようで、機能性表示全体の増加傾向はまだ続き
そうです。
その一方で、新規訴求領域の開拓で見ると、今
年は少し物足りない感がありました。これは免
疫のような話題性のあるトピックがなかったか
らでしょう。その免疫にしても、今年の4月に
キューピーさんが酢酸菌GK-1で受理されて以降、
新たな成分は出てきていません。
そんななかで興味深い例を一つ上げると、フェ
ムテック関係の訴求があります。例えば以下の
ような例です。
I381 わたしプロローグ
「本品には、CP2305ガセリ菌(L. gasseri
CP2305)が含まれており、正常な月経周期を有
する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気
分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があり
ます。」
女性の月経という表現を初めて用いた事例でし
た。また、ここまで明確ではなくとも、「中年
期女性の日常生活の一時的な疲労感を改善
(I276)」「中年期女性の睡眠の質(寝つきや
起床時の睡眠に対する満足感)を向上(
I274)」など、フェムテックを意識させるよう
な事例もいくつか出ています。
また、薬理と治療の12月号にはラフマによる
フェムテック関連の論文が掲載されていました。
月経前の気分や疲労感、睡眠を改善するという
ものです。これで機能性表示を狙うとすると、
I381のような届出表示になるのだと思います。
来年はこの領域がもっと広がってくるのかもし
れません。