機能性表示最新情報 327号 / 2023年を振り返って

こんにちは。YDCのミッシーです。

早いもので、もう年の瀬です。今年1年の機能

性表示を振り返ってみると、なかなか波乱万丈

な年だったのではないか、という感じがします。

とりわけ印象に残るのは、さくらフォレスト事

件と、SRへのPRISMA2020の導入の二つで

はないでしょうか。

さくらフォレスト事件以降、さらに別の商品で

ハハハラボ社、アリュール社が措置命令を受け

ています。これまでのところ機能性表示食品に

対する措置命令は4件で、最初が葛の花由来イ

ソフラボン事件、残りの3件はすべて今年の出

来事ということになります。

措置命令などは例年、年度末の3月に向けて増

えていく傾向のようですし、昨年認知機能の大

規模な行政指導が行われたのも年度末でしたか

ら、皆さまお気を付けください。

ところで、措置命令やSRへの大きな変更などあ

ると、これまでのケースでは受理件数が大きく

落ち込むことが多かったわけですが、今年につ

いては今のところその気配は伺えません。それ

どころか、過去最多のペースで受理されている

ようで、機能性表示全体の増加傾向はまだ続き

そうです。

その一方で、新規訴求領域の開拓で見ると、今

年は少し物足りない感がありました。これは免

疫のような話題性のあるトピックがなかったか

らでしょう。その免疫にしても、今年の4月に

キューピーさんが酢酸菌GK-1で受理されて以降、

新たな成分は出てきていません。

そんななかで興味深い例を一つ上げると、フェ

ムテック関係の訴求があります。例えば以下の

ような例です。

I381 わたしプロローグ

「本品には、CP2305ガセリ菌(L. gasseri

CP2305)が含まれており、正常な月経周期を有

する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気

分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があり

ます。」

女性の月経という表現を初めて用いた事例でし

た。また、ここまで明確ではなくとも、「中年

期女性の日常生活の一時的な疲労感を改善

(I276)」「中年期女性の睡眠の質(寝つきや

起床時の睡眠に対する満足感)を向上(

I274)」など、フェムテックを意識させるよう

な事例もいくつか出ています。

また、薬理と治療の12月号にはラフマによる

フェムテック関連の論文が掲載されていました。

月経前の気分や疲労感、睡眠を改善するという

ものです。これで機能性表示を狙うとすると、

I381のような届出表示になるのだと思います。

来年はこの領域がもっと広がってくるのかもし

れません。