機能性表示最新情報 326号 / 中性脂肪を訴求 するEPA・DHAの新SR

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I827 コレステヘルプWa

「本品には米紅麹ポリケチドとEPA・DHA

が含まれます。米紅麹ポリケチドには、LDL

(悪玉)コレステロールが高めの方の、血中脂

質の1つであるLDL(悪玉)コレステロール

を下げて、LDL(悪玉)コレステロール値と

HDL(善玉)コレステロール値の比率(L/

H比)を下げる機能があることが報告されてい

ます。EPA・DHAには血中脂質の1つであ

る血中中性脂肪を減らす機能があることが報告

されています。」

I827は、さくらフォレスト事件以降に作られた、

中性脂肪を訴求するEPA・DHAのSR」で最初に受

理された事例となります。

事件以降でも中性脂肪を訴求するEPA・DHAの事

例は少数受理されていましたが、それらは

(1)有効量の下限は133mg低い記載のままの

SRを使いまわすが、商品としては500mg以上が

配合されている事例(マルハニチロのSR)

(2)そもそもさくらフォレスト事件関連から

は完全に抜け出している日本健康・栄養食品協

会のSR(有効量は860mg以上とする)

というものでした。

さて、I827の届出者である小林製薬さんは、こ

れまでにもいくつか中性脂肪を訴求するEPA・

DHAの商品を受理されています。これらの商品

では日本水産のSR(有効量は182mg)を使用し、

商品への配合量としては600mg以上というもの

でした。

今回のI827では、レビュー作成を小林製薬さん

自身で行い、文献検索は2023年8月1日に実施さ

れています。さらに、有効量については以下の

ように記載されています。

「EPA・DHAの摂取量が603.2mgより少ない文献2

報では有意な低下が見られなかったため、本研

究レビューの有効量の下限値を603.2mgとした。

それ以外で対照群と比較して有意な低下が見ら

れなかった文献の中には、介入前の中性脂肪値

が低値のもの、介入前後でのみ有意な低下が見

られたものが含まれていた。」

ところで、これまでのSRにおいて500mg以下の

低用量のキーとなっていた文献は、Bovet2007

でした。I827ではこの文献について「適格基準

不一致(EPA・DHAの量にばらつきがあるた

め)」という理由で除外しています。配合量と

して605mgのI827では必要ないという理由もあ

るのでしょうが、もはや低用量については完全

に切り捨てた、という感じですね。

マルハニチロさんなど、原料メーカーさんの新

規SRはまだ出てきていませんが、その場合も低

用量は切り捨てた形になるのか、今後の展開が

待たれます。