こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し
ます。
偶然なのか、このところ酢酸に関する事例が続
いていました。いずれも脂肪減少訴求ですが、
よく見ると届出表示が少し異なります。例えば
以下の2例です。
I755 PURESU(ピュレス)発酵酢ドリン
ク マスカット味
「本品には酢酸とビフィズス菌BB536が含まれ
ます。酢酸には日常生活で生じる運動(5~
6METs)程度の疲労感を軽減する機能、肥満気
味の方のおなかの脂肪(内臓脂肪、腹部総脂
肪)を減少させる機能、ビフィズス菌BB536に
は大腸の腸内環境を改善し、腸の調子を整える
機能があることが報告されています。」
I754 ミツカン ざくろ黒酢 ストレート
「本品には食酢の主成分である酢酸が含まれま
す。酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少さ
せる機能、日常生活で生じる運動程度(5~
6METs)の一時的な疲労感を軽減する機能がある
ことが報告されています。」
どちらの事例でもSRの採用文献はKondo2009の1
報のみになっていますがI754は「内臓脂肪」の
みを訴求するのに対し、I755は「おなかの脂肪
(内臓脂肪、腹部総脂肪)」としています。
I754のリサーチクエスチョンは「内臓脂肪に影
響を与えうるか」、I755は「腹部脂肪を減少す
る機能がみられるか」となっており、単に両者
の注目ポイントの違いでしょうか? 実はそう
とも言えない部分があります。
I754のSRを見ると、Kondo2009にはBMI30の被
験者が5名含まれており、追加解析でこの5名
を除いたとしても内臓脂肪の減少が確認できる
としています。
他方、I755は「BMIが25以上30未満の者」を被
験者として、「腹部脂肪面積(腹部総脂肪面積、
内臓脂肪面積)」の減少を確認していますが、
BMI30の被験者については言及がありません。
そこで論文(Kondo2009)を見ると、この中で
はBMI30の被験者を除く解析は行われておらず、
I754の解析は論文にはない独自のものというこ
とになります。
一方のI755は追加的な解析を行った旨が記載さ
れていませんから、腹部総脂肪面積の結果が
BMI30の被験者を含んでいるのかどうか。仮に
含んでいたとして、BMI30を除外した場合でも
有意差があるのか、というのが気になるところ
です。