機能性表示最新情報 324号 / 内臓脂肪と腹部 総脂肪

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

偶然なのか、このところ酢酸に関する事例が続

いていました。いずれも脂肪減少訴求ですが、

よく見ると届出表示が少し異なります。例えば

以下の2例です。

I755 PURESU(ピュレス)発酵酢ドリン

ク マスカット味

「本品には酢酸とビフィズス菌BB536が含まれ

ます。酢酸には日常生活で生じる運動(5~

6METs)程度の疲労感を軽減する機能、肥満気

味の方のおなかの脂肪(内臓脂肪、腹部総脂

肪)を減少させる機能、ビフィズス菌BB536に

は大腸の腸内環境を改善し、腸の調子を整える

機能があることが報告されています。」

I754 ミツカン ざくろ黒酢 ストレート

「本品には食酢の主成分である酢酸が含まれま

す。酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少さ

せる機能、日常生活で生じる運動程度(5~

6METs)の一時的な疲労感を軽減する機能がある

ことが報告されています。」

どちらの事例でもSRの採用文献はKondo2009の1

報のみになっていますがI754は「内臓脂肪」の

みを訴求するのに対し、I755は「おなかの脂肪

(内臓脂肪、腹部総脂肪)」としています。

I754のリサーチクエスチョンは「内臓脂肪に影

響を与えうるか」、I755は「腹部脂肪を減少す

る機能がみられるか」となっており、単に両者

の注目ポイントの違いでしょうか? 実はそう

とも言えない部分があります。

I754のSRを見ると、Kondo2009にはBMI30の被

験者が5名含まれており、追加解析でこの5名

を除いたとしても内臓脂肪の減少が確認できる

としています。

他方、I755は「BMIが25以上30未満の者」を被

験者として、「腹部脂肪面積(腹部総脂肪面積、

内臓脂肪面積)」の減少を確認していますが、

BMI30の被験者については言及がありません。

そこで論文(Kondo2009)を見ると、この中で

はBMI30の被験者を除く解析は行われておらず、

I754の解析は論文にはない独自のものというこ

とになります。

一方のI755は追加的な解析を行った旨が記載さ

れていませんから、腹部総脂肪面積の結果が

BMI30の被験者を含んでいるのかどうか。仮に

含んでいたとして、BMI30を除外した場合でも

有意差があるのか、というのが気になるところ

です。