機能性表示最新情報 322号 / むくみ測定の色々

こんにちは。YDCのミッシーです。

今週くらいから、新規受理された事例が、ガイ

ドライン改正後の新様式のものに変わりました。

とは言っても、まだまだ2009準拠版であって、

2020準拠版がメジャーになるのは先になりそう

です。原料メーカーやOEMさんの対応としても、

今急いで準備しているところもあれば、猶予期

間があるので様子見しているところもある、と

いった具合にまちまちのようです。本格化する

のは来年以降と言ったところでしょうか。

さて、それでは今回の機能性表示最新情報をご

紹介します。

I642 UHA(ユーハ)グミサプリ むくみケ

「本品にはレモン由来モノグルコシルヘスペリ

ジンが含まれます。レモン由来モノグルコシル

ヘスペリジンには、一時的に自覚する顔のむく

み感や、脚(ふくらはぎ)のむくみを軽減する

機能があることが報告されています。」

むくみ訴求は最近人気のある訴求の一つだと思

います。これまでのところこの分野はヒハツ由

来ピペリン類が一大勢力を築いていましたが、

少しずつ上記のレモン由来モノグルコシルヘス

ペリジンも数を増やしているようです。そして、

むくみ訴求には元祖的な存在として、赤ブドウ

葉由来ポリフェノールもありました。

C223 脚きゅっと!

「本品には赤ブドウ葉由来ポリフェノールが含

まれるので、夕方の脚のむくみを軽減します。

 ただし、一晩寝て朝になってもむくみが回復

 しない(一過性でない)、脚以外の部位がむ

 くむ、その他体に異常がある場合は、医師の

 診察をお勧めします。」

F382 ヒハツDX(デラックス)

「本品にはヒハツ由来ピペリン類が含まれます。

ヒハツ由来ピペリン類は、脚のむくみが気にな

る健常な女性の夕方の脚のむくみ(病的ではな

い一過性のむくみ)を軽減する機能があること

が報告されています。」

これら3つの事例は、いずれもむくみ訴求であ

りながら、むくみの測定方法がそれぞれ異なり

ます。

まず赤ブドウ葉由来ポリフェノールは、脚の体

積で測定を行っています。これは水槽の中に脚

を入れて、こぼれた水の量で体積を図るという

方法です。

次に、ヒハツ由来ピペリン類で行っているのは

生体電気インピーダンス法というもので、体に

微弱な電流を流して、細胞外水分比(ECW/

TBW)を測定することで、むくみの評価をして

います。

最後に、I642などのレモン由来モノグルコシル

ヘスペリジンですが、顔はVAS、足はVASと周囲

径です。顔についてはむくみ感なので、主観評

価のみの測定となっているようです。

ただ、レモン由来モノグルコシルヘスペリジン

のむくみ評価については少し気になるところも

あります。SRが採用する文献は中村2019の1報

で、指標は先に挙げたVASと周囲径のみを取り

上げています。

ところで、レモン由来モノグルコシルヘスペリ

ジンの一番最初の事例であるF174だけは、RCT

の届出になっています。これがSRで採用してい

る中村2019です。この論文を見てみると、 VAS

と周囲径の他に、赤ブドウ葉由来ポリフェノー

ルと同様の方法で足の体積も測定していること

がわかります。しかし、体積の測定数値は記載

されているものの、結果として群間の有意差が

どうであったかなどは全く言及されていません。

F174では別紙様式5ー2において、先行研究及

びリンパ浮腫診療ガイドライン2018年版に沿っ

て周囲径で評価している、と記載されいて、足

の体積については完全にスルーされています。

そうなると、体積については結果が良くなく、

非一貫性に問題が出てくるからスルーしている

のではないか、という疑問がわきます。論文に

提示されている数値を見ると、実際、よくなさ

そうな結果に見えるのですが、本当のところは

どうなのでしょうか?