機能性表示最新情報 319号 / 「微量で効果がない」というロジックへの懸念

こんにちは。YDCのミッシーです。

先週、SRの新様式対応についてこのメルマガで

説明しましたが、それと大体同じような内容の

ことが、10月20日付けで届出データベースにロ

グインした後の消費者庁からのお知らせの掲示

板に追加されていました。お困りの方はそちら

も合わせて見ておくとよいと思います。

さて、それでは今回の機能性表示最新情報をご

紹介します。

I685 白井田七。善

「本品にはニンジンサポニン(ジンセノサイド

Rg1、Rb1)が含まれます。抗酸化作用を持つニ

ンジンサポニン(ジンセノサイドRg1、Rb1)に

は、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステ

ロール)が酸化され酸化LDLコレステロールに

なることを抑制させることが報告されていま

す。」

ジンセノサイドを機能性関与成分とした同じよ

うな受理事例があります。

H994 紅蔘粉末スティック

「本品にはジンセノサイドRg1,Rb1,Rg3が含ま

れます。抗酸化作用を持つジンセノサイドRg1,

Rb1,Rg3には、血中のLDLコレステロール(悪玉

コレステロール)が酸化され酸化LDLコレステ

ロールになることを抑制させることが報告され

ています。」

届出表示を見比べてみると、H994にはジンセノ

サイドRg3が含まれていることが唯一の違いで

あることが分かります。SRの採用文献はどちら

の事例も(1)Seo2014、(2)Kim2012と、同

じです。にもかかわらず、機能性関与成分が異

なるのはどうしてでしょうか?

I685では、次のような記載があります。

「本研究レビューで採用された2報の文献では、

ニンジンサポニンとしてジンセノサイドRg1,ジ

ンセノサイドRb1、および、ジンセノサイドRg3

の摂取が報告されているがジンセノサイドRg3

の1 日あたりの摂取量は0.39mg/日、0.78mg

/日と微量であった。(・・・中略・・・)

採用文献で用いられた試験食中のRg3 量では、

動物実験等の結果から鑑みると、ヒトにおい

て機能性を発揮する血中濃度には到達しない

と考えられ、採用文献の件で用いられたRg3

の摂取量では機能性は発揮されず、採用され

た試験における機能性に寄与する関与成分は

ジンセノサイドRg1 及びRb1 であると判断し

た。」

しかし、このロジックには懸念があります。先

のさくらフォレスト問題において、血圧の低減

を訴求するモノグルコシルヘスペリジンでは、

試験食品が減塩醤油であったことから、その相

加・相乗的効果が疑われ、モノグルコシルヘス

ペリジン単体による機能性とはいえないのでは

ないか、という指摘を受けていました。

当然、原料メーカーサイドでは減塩醤油単体で

は血圧の低減効果はない、という論陣を張った

はずですが、結果は皆様がご存じのとおりです。

それを考えると、I685のようなロジックを用い

るのであれば、ジンセノサイドRg1、Rb1のみで

の試験結果など、よほど確固としたエビデンス

を用意しておく方が安心ではないでしょうか。