機能性表示最新情報 317号 / BCAAは2g or 8g?

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し
ます。

I655 フロンティアフーズBCAA(ビーシー
エーエー)
「本品にはBCAA(バリン、ロイシン、イソロイ
シンの総称)が含まれます。BCAAは、運動によ
る一時的なからだの疲労感をやわらげることが
報告されています。」

届出者はフロンティアフーズさんで、BCAAの含
有量は2000mgとしています。

一方、BCAAのもう一つのタイプとして含有量
を8000mgとする事例もあります。代表的なのは
大塚製薬さんの下記の事例です。

B182  アミノバリューパウダー8000
「本品にはBCAA(バリン、ロイシン、イソロイ
シンの総称)が含まれます。BCAAは運動まえや
運動中に飲むことにより、運動によるカラダの
疲労感をやわらげることが報告されていま
す。」

見ての通り、届出表示自体も同じような内容と
なっています。I655が含有量は4分の一にでき
ているキーは、BCAA2gを有効量とするHsu2011
を採用していることにあります。

必要な量を少なくできるのだから実にお得とい
う感じもしますが、Hsu2011には気になる点が2
つあります。

一つ目は、論文のタイトルが「Effects of 
BCAA, Arginine and Carbohydrate
Combined Drink on Post-Exercise 
Biochemical Response and Psychological 
Condition」となっていることからもわかるよ
うに、BCAA以外の成分が含有されています。論
文中においてプラセボの構成成分が明確にされ
ていないので、BCAA以外の成分の影響について
疑いが残ってしまいます。

もう一つの懸念は、試験の被験者です。I655が
採用する4報中3報については、定期的な運動習
慣や運動歴を持たない男女を対象としています。
一方でHsu2011は「Fourteen male physical 
active college students」を被験者としてお
り、運動をしていない他の3報とは異なるよう
です。

つまり、2000mgを有効量とする場合は、
「physical active」な人たちに対するエビデ
ンスはあると言えますが、「定期的な運動習慣
や運動歴を持たない」人たちはカバーしていな
い、という見方もできます。

上記の2点については、特にSR中では触れられ
ていませんが、先のさくらフォレスト事件や、
PRISMA2020準拠などでSRへ厳しい目が向けられ
ている昨今の状況を考えると、何かしら合理的
な説明が欲しいところではないでしょうか。