機能性表示最新情報 313号 / 2試験の統合

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I566 シンビーノ ジャワティストレート 深

味(ふかあじ)

「本品には紅茶ポリフェノールが含まれるので、

食後血糖値の上昇を抑える機能があります。」

紅茶ポリフェノールを機能性関与成分とした

RCTによる申請です。紅茶ポリフェノールと言

えば、過去にこういう事例もありました。

H993 日東紅茶 Style(スタイル)

「本品には高分子紅茶ポリフェノール(テアフ

ラビンとして)が含まれています。高分子紅茶

ポリフェノール(テアフラビンとして)には、

脂肪が多い食事の際に、脂肪の吸収を抑え、食

後の血中中性脂肪値の上昇を緩やかにする機能

があることが報告されています。」

こちらの機能性関与成分は「高分子紅茶ポリ

フェノール(テアフラビンとして)」としてい

ます。この二つの紅茶ポリフェノールは同じも

のでしょうか?

実は作用機序をよく読むと、I566の紅茶ポリ

フェノールも、高分子の紅茶ポリフェノールで

ある旨が記載されていますが、その一方で、

I566ではジャワ紅茶におけるテアフラビンの寄

与率は2パーセント未満であるとしています。

よってテアフラビンを主体とするH993と、I566

の紅茶ポリフェノールは別物であることが分か

ります。

I556の紅茶ポリフェノールの構成成分の詳細は

記載されていませんが、ガロイル基を有する高

分子のポリフェノールを紅茶ポリフェノールと

して定義した、ということのようです。

I556にはもう一つ興味深い点があります。この

届出はRCTの論文1報によるものですが、この論

文はスタディ1とスタディ2から成っていて、

さらにこの二つの結果を統合したものを使用て

います。

それぞれ見ていくと、まずスタディ1では血中

グルコースおよび血中インスリンのiAUCにおい

て有意差なし。ただしiAUCの平均値の低下が見

られたことから、被験者の数を増やしたスタ

ディ2が実施されます。スタディ2は血中イン

スリンは有意差ありですが、血中グルコースは

有意傾向どまり。

そこで、二つの試験は同じ選択基準と試験方法

で実施されたものであるとして、二つの試験の

結果を統合しています。その結果、血中グル

コース、血中インスリンともに有意差あり、と

なっています。

RCTの申請ではありますが、この部分だけ見る

と、やっていることはSRでメタアナリシスをす

るのと同じような感じですね。