機能性表示最新情報 308号 / フェムテック訴求

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介し

ます。

I381 わたしプロローグ

「本品には、CP2305ガセリ菌(L. gasseri

CP2305)が含まれており、正常な月経周期を有

する健康な女性の月経前の一時的な晴れない気

分、精神的疲労感、眠気を軽減する機能があり

ます。」

「月経」などフェムテック関係の訴求として初

めての事例になります。申請はRCT。アサヒ

グループ食品さんの届出です。別紙様式5-2や

3には、結構なボリュームの補足説明がありま

す。そこから今回のフェムテック訴求の要点を

まとめると、対象者、評価指標、健康の維持・

増進との関係、の3つがあります。

(1)対象者

正常な月経周期を有する20~25歳の健康な日

本人の女子大学生。うつ性自己評価尺度をスク

リーニングに用いていて、これによって「晴れ

ない気分、精神的疲労感」などが精神的障害で

はないことを示しています。

また、この試験は年齢層が20~25と狭いです

が、月経が起こるメカニズムは年代で共通であ

る、として、年齢制限を設けていません。

(2)評価指標

まず、主観評価として、PMTS-VASを上げて

います。PMTS-VASは、月経に伴う主に精神

の一時的な変化を調査する調査票として、日本

人にも妥当性のある指標であるとしています。

次に客観評価として、唾液中のエストラジオー

ル濃度とプロゲステロン濃度を測定していま

す。

これらは月経周期に多く分泌されるホルモンで

あり、こうしたホルモンの一時的な変動が心身

に影響を与えていると考えられることから、こ

のホルモンの分泌が軽減されることで、気分や

疲労感が改善する、としています。

評価方法としては、主観評価、客観評価の両面

から評価ということになります。

(3)健康の維持・増進との関係

「健康日本21(第二次)」から以下の項目を取

り上げ、

・国民が自立した日常生活を営むことを目指

し、乳幼児期から高齢期まで、それぞれのライ

フステージにおいて、心身機能の維持及び向上

につながる対策に取り組む。

・働く世代のメンタルヘルス対策等により、ラ

イフステージに応じた「こころの健康づくり」

に取り組む。

・国は、メンタルヘルス対策の充実、妊婦や子

供の健やかな健康増進に向けた取組、介護予

防、支援などの取組を進める。

「正常な月経周期を有する健康な女性におい

て、月経前の一時的な悩みを軽減することは、

こころの健康維持にも繋がり、「健康日本

21(第二次)」の目標に沿った、健康的な日常生

活を過ごすうえで重要な取り組みと言える」と

まとめています。

また、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の

データベースから、「晴れない気分の軽減」、

「精神的疲労感の軽減」、「眠気の軽減」とい

った表現が検出されないため、医薬品には該当

せず、健康の維持・増進の範囲であるとしてい

ます。

以上のように、よく練られたロジックでフェム

テック訴求に挑んだことがわかります。今後機

能性表示でもこの分野が広がりを見せるのか、

要注目ですね。