機能性表示最新情報 159 号 / 病者の診断基準がない場合の対応方法

こんにちは。

YDCのミッシーです。

消費者庁の届出審査ですが、通常の体制に
戻ったという告知がありました。

しかし、これまでの審査が溜まっているので、
受理ペースはもう少し遅れるとのこと。

完全に元に戻るのは、まだ時間が
かかりそうです。

それでは、今回の機能性表示最新情報 の
ご紹介です。

F36 PinkyFRESH(ピンキーフレッシュ)

「本品には、乳酸菌LS1 (Lactobacillus
  salivarius TI2711株)が含まれます。
  乳酸菌LS1 は、健康な歯ぐきを維持する
  機能があります。
  歯周組織の健康が気になる健常な方に適して
  います。」

届出者は湖池屋さんで、RCT。

乳酸菌LS1は初出の成分です。

健康な歯ぐきを維持する、ということで、
口腔衛生に関する訴求となります。

口腔衛生の訴求をする場合には、対象者の
設定が問題になると思います。

歯周病などの疾病には罹患しておらず、
健康の維持・増進の範囲内にとどまる対象を
選ばなくてはなりませんが、

それを明確にする歯や歯ぐきに関する
診断基準はありません。

このため、正常域や境界域というくくりが
設定できません。

そこでF36では、試験を実施した歯科診療所では
「健康な状態とは歯周組織の状態が歯周病の
進行が見られずに安定している状態」である
とし、

歯科医師による具体的なスクリーニング内容が
論文に記載されている、と説明します。

これはガイドラインのP31に記載された考え方に
準拠したものです。

この内容を簡単にまとめると、次のような
ステップになります。

1.病者や境界域などのコンセンサスが取れた
  診断基準がないか確認する。

2.診断基準がない場合は、スクリーニングで
  病者が除外されていることを、具体的に
  論文中に記載されているか確認する。

3.2がない場合には、論文について医師の確認を
  求め、そのことを届出資料に記載する。

これまで口腔衛生の領域では5件の受理事例が
ありますが、いずれの場合でも上記2か3に
触れています。

このやり方は口腔衛生に限らず、病者領域の
区別が明確ではない訴求に適用可能と
考えられるので、

そういった届出を考えているかたは上記の条件を
まずは確認するのがいいですね。

それでは、またメールしますね。