機能性表示最新情報 154 号 / 「加齢によって衰える」の付かない認知訴求

こんにちは。

YDCのミッシーです。

今回の機能性表示最新情報 は、
L-テアニンの事例を取り上げます。

L-テアニンといえばこれまでは睡眠訴求か
ストレス訴求でしたが、

そこに新たなパターンが加わりました。

E811 サンテアニン200VF(ブイエフ)

「本品にはL-テアニンが含まれるので、
 認知機能の一部である言語流暢性(言語
 情報を適切に素早く数多く思い出す能力)
 をサポートする機能があります。」

届出者はタイヨーラボさんで、RCTによる
届出。

L-テアニンの含有量は200mgとなっていて、
これまでの睡眠やストレスと同じですから、
トリプルクレームなんて言うことも
可能になるって来るかもしれません。

さて、

この事例で気になるのは対象者に関する
表現です。

通常、認知機能訴求を行うときは、届出表示
において「加齢によって衰える認知機能の
一部の記憶力」などとするか、対象者に
「中高年」などを入れて制限するか、です。

しかし、E811では対象者を「日常の生活で
言葉が思い出しづらい方」という少し
変わった表現にしています。

これはどこから来たのでしょうか?

まず、論文では、評価を行った言語流暢性に
関し、摂取前に対する摂取終了日のスコア差
について、群間有意差はなかったとして
います。

このため、摂取前の言語流暢性の評価結果の
中央値を用いて層別解析を実施しています。

この結果、中央値より言語流暢性が低い
場合には、L-テアニン摂取は言語流暢性の
有意な改善が認められたとしています。

このことから、言語流通性とは「言語情報を
適切に素早く数多く思い出す能力」であり、

それが低いというのは、「日常生活において
言葉が思い出しづらい」ことであるとして、
対象者の表現を導いていたわけです。

さて、上記の流れを見ていただければ
わかるように、ここには「加齢」の要素が
入っていません。

「日常の生活で言葉が思い出しづらい方」
というのが、実際には「加齢」縛りに
近いものになっているということかも
しれませんが、

対象者の表現を工夫したいという方にとっては、
興味深い事例ではないでしょうか。

なお、層別解析で結果を導いているのに
(中央値より言語流暢性が低い人であって
始めて機能性が認められる)、

その対象限定がヘルスクレームに盛り込まれて
いない点は今後事後チェックの対象になるかも
しれません。

それでは、またメールしますね。