こんにちは。
YDCのミッシーです。
今回の機能性表示最新情報 は、
L-テアニンの事例を取り上げます。
L-テアニンといえばこれまでは睡眠訴求か
ストレス訴求でしたが、
そこに新たなパターンが加わりました。
E811 サンテアニン200VF(ブイエフ)
「本品にはL-テアニンが含まれるので、
認知機能の一部である言語流暢性(言語
情報を適切に素早く数多く思い出す能力)
をサポートする機能があります。」
届出者はタイヨーラボさんで、RCTによる
届出。
L-テアニンの含有量は200mgとなっていて、
これまでの睡眠やストレスと同じですから、
トリプルクレームなんて言うことも
可能になるって来るかもしれません。
さて、
この事例で気になるのは対象者に関する
表現です。
通常、認知機能訴求を行うときは、届出表示
において「加齢によって衰える認知機能の
一部の記憶力」などとするか、対象者に
「中高年」などを入れて制限するか、です。
しかし、E811では対象者を「日常の生活で
言葉が思い出しづらい方」という少し
変わった表現にしています。
これはどこから来たのでしょうか?
まず、論文では、評価を行った言語流暢性に
関し、摂取前に対する摂取終了日のスコア差
について、群間有意差はなかったとして
います。
このため、摂取前の言語流暢性の評価結果の
中央値を用いて層別解析を実施しています。
この結果、中央値より言語流暢性が低い
場合には、L-テアニン摂取は言語流暢性の
有意な改善が認められたとしています。
このことから、言語流通性とは「言語情報を
適切に素早く数多く思い出す能力」であり、
それが低いというのは、「日常生活において
言葉が思い出しづらい」ことであるとして、
対象者の表現を導いていたわけです。
さて、上記の流れを見ていただければ
わかるように、ここには「加齢」の要素が
入っていません。
「日常の生活で言葉が思い出しづらい方」
というのが、実際には「加齢」縛りに
近いものになっているということかも
しれませんが、
対象者の表現を工夫したいという方にとっては、
興味深い事例ではないでしょうか。
なお、層別解析で結果を導いているのに
(中央値より言語流暢性が低い人であって
始めて機能性が認められる)、
その対象限定がヘルスクレームに盛り込まれて
いない点は今後事後チェックの対象になるかも
しれません。
それでは、またメールしますね。