機能性表示最新情報 153 号 / 消費者庁、久しぶりの新規の届出受理

こんにちは。

YDCのミッシーです。

コロナの影響で4月6日以降は音沙汰のなかった
消費者庁の届出受理ですが、

4月30日に久しぶりに新規の受理がありました。

たまっていた分を一気に出してきたという
感じなのか、件数が多く、新規の成分なども
あります。

今回の機能性表示最新情報 は、その中の一つを
取り上げたいと思います。

E807 モリンガ元気タブレット

「本品にはモリンガ種子由来グルコモリンギン
  が含まれるので、日常生活で疲れを感じ
  やすい方の身体的な疲労感を軽減し、腰の
  負担を感じやすい方の腰の不快感を和らげる
  機能があります。」

モリンガ種子由来グルコモリンギンは初出の
成分。

さらに注目したいのは、

「腰の不快感を和らげる」という届出表示です。

「腰」を入れた届出表示自体は初めてという
わけではなく、アスタキサンチンの事例で、
「肩や腰の負担を和らげる」というものが
あります。

具体的には次のような事例です。

E791 アスタキサンチン」

「本品にはアスタキサンチンが含まれます。
  アスタキサンチンには眼のピント調節機能を
  維持し、パソコンやスマートフォンの使用
  による一時的な眼の疲労感を緩和し、眼の
  使用による肩や腰の負担を和らげる事が
  報告されています。
  眼のピント調節、疲労感、肩や腰の負担が
  気になる方に適した食品です。」

一見すると、E791は「眼」の方に力点が
置かれていて、「肩や腰」については、
おまけ程度の扱いに思えます。

対して、E807は「腰」への訴求が前面にて
出てきたものです。

このため、E791の届出表示とは全く別物という
印象になっています。

ところが、E807の論文の効果指標(VAS)を
見てみると、疲労、肩の凝り、腰の痛み、
目の疲れ、となっていて、E791の届出表示との
「腰」以外の共通点が見て取れます。

もしかすると、E807も当初はE791のような
届出表示を想定して臨床試験を計画したのかも
しれません。

しかしその結果は、4週のうち、2週後の腰の
痛みだけしか群間有意差がないとうもの。

そこで、疲労感のある対象者で層別解析を実施。

この結果、疲労感と腰の痛みについて、4週後に
群間有意差あり。

このことから、E791のような「目の使用による」
から、「疲労感による」腰の不快感へシフト
していったのかもしれません。

ところで、「腰の不快感」という表現は、
腰の痛み(Low back pain)の言い換えである
ことは分かります。

しかし、そういう言いかえを行った場合に
よくあるような説明(健康の維持増進にどう
繋がるかや、消費者に理解しやすくするため)
といったものはないようです。

書くまでもないと判断されたのか、ちょっと
気になるところですね。

それでは、またメールしますね。