機能性表示最新情報 151 号 / 事後チェック指針 精読

こんにちは。

YDCのミッシーです。

先週 号でご紹介した通り、コロナの影響で
消費者庁の届出審査が大幅に遅延しています。

2019年度の届け出受理件数は過去最高で、
800件に迫ろうという数字ですが、その記録も
ここからは伸び悩みそうです。

さて、

そんなわけで事例の少ない今回の機能性表示
最新情報は、先月公表された事後チェック指針
について見ていきたいと思います。

この事後チェック指針、第2章の広告に対する
考え方が注目を集めていますが、

第1章である科学的根拠に対する考え方にも、
重要な点があります。

まず、(3)のウ「研究レビューにおける
成分と届出食品中の機能性関与成分との
同等性が担保されない場合」の例として
次のようにあります。

「研究レビューで評価した成分(エキス等を
  含む。)と届出食品中の機能性関与成分の
  同等性(含有量、フリー体又は塩若しくは
  エステル体等の別、基原を表示する場合には
  その基原、エキス等の場合は抽出方法や
  製法等)が合理的に説明されない場合」

これはつまりこういうことだと思います。

以前にこのメルマガでも何度か、HMBカルシウム
やグルコサミン塩酸塩の事例を取り上げて、

消費者庁は、摂取前の成分の状態を重視していて、
体内でHMB(遊離体)やグルコサミンに変化する、
というロジックは運用上認めなくなったようだ、
とお伝えしてきました。

これがまさに、「フリー体又は塩」に当て
はまるものです。

また、エステル体については、E69などのように、
エステル体の別を示した事例があります。

「本品にはルテインエステル(ルテインとして)
  が含まれます。
  ルテインエステル(ルテインとして)には
  長時間のコンピューター作業などによって
  低下した目のコントラスト感度(ぼやけの
  解消によってはっきりと見る力)を改善する
  機能があると報告されています」

これらはガイドラインでは示されておらず、
これまで運用上の方針という認識でしたが、
事後チェック指針ではっきり明文化された
ことになります。

次に(3)のエ「「totality of evidence」
の判断(採用論文数、最終的に肯定的と
判断できる要素等)が適切になされている
とはいえない場合」です。

「表示する機能性に対し否定的な結論である
  論文のデータを恣意的に除いて
  メタアナリシスを実施している場合」

「結果の客観性・透明性を担保するために
  必要な情報が示されない場合」

後者については少し具体性に欠けていますが、
例えば、論文中に明確な数値が示されていない
にもかかわらず、外部からデータを補完して
SRに組み込んでいる場合が当てはまるのでは
ないかと思います。

そういう場合、多くは著者などに確認して
データを入手していますが、

中にはそういった経緯の記載がないものも
あり、そうした事例は透明性の担保が
取れているとは言えない状態です。

これを踏まえたうえで注目されるのが
GABA(血圧)のSRです。

GABAは各社さまざまなSRがあり、その中で
メタアナリシスを行っているものも
いくつかありますが、そのメタアナリシスで
採用されている文献はバラバラです。

また、入手経路の明示されない論文外の
データを記載している事例もあります。

これらのすべてが不適というわけでは
ありませんが、事後チェックの指針を
鑑みるに、一度きちんと吟味されたほうが
良いものかもしれません。

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それでは、またメールしますね。