機能性表示最新情報 150 号 / 主要アウトカム以外を機能性に盛り込むには?

こんにちは。

YDCのミッシーです。

コロナによる緊急事態宣言を受けて、
機能性表示の届出にも大幅な遅延が生じる
ようです。>>>
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/index.html#confirmation

こういう事態なので仕方のないことですね。

さて、

気を取り直して今回の機能性表示最新情報 の
ご紹介です。

E769 アスタキサンチン×頭脳

「本品にはアスタキサンチンが含まれます。
 アスタキサンチンは記憶力に衰えを感じている
 健常な中高年の認知機能の一部である視覚的な
 記憶力の維持に役立つ機能があります。
 ※視覚的な記憶力とは図形を認識し、記憶して
 から思い出す力を指します。」

アスタキサンチンで認知機能は初の事例です。

E769の特徴として、臨床試験と表示しようとする
機能性の関係、とくに、副次アウトカムの結果を
表示しようとする機能性に用いることについて、
別紙様式5-3に詳しい説明が記載されています。

詳しく見ていきましょう。

別紙様式5-3によれば、E769の主要アウトカムは
コグニトラクスにおける10個のテストの内の
Composite memory(総合記憶力)であるとされて
います。

そうすると、表示しようとする機能性の
「視覚的な記憶力」がどこから導かれるのかと
言えば、

まず一つは、コグニトラクスの総合記憶力以外の
テスト項目であるVisual memoryです。

この評価項目については、測定値では群間、
群内の有意差はないものの、0週からの変化量での
比較は、群間有意差ありとなっています。

もう一つは、自覚症状アンケートの
「ヒトやモノの名前を思い出すことをサポート」
での群間有意差。

この項目については、「ヒトの顔&モノ記憶=
視覚記憶+言語記憶」であるとして、視覚的な
記憶力に結び付けます。

さらに、主要アウトカムであるコグニトラクスの
総合記憶力については、言語記憶と視覚記憶の
スコアから算出されるとして、副次アウトカムと
一貫性があるとしています。

コグニトラクスのVisual memoryの変化量で
群間有意差があるので、ここまで詳しく説明する
必要があるのか、という感じが少ししますが、
測定値との評価のちぐはぐさを考慮したのかも
しれません。

また、質疑応答集の問41 認知機能の試験方法に
関する項目には以下のようにあります。

「複数の機能や指標を評価し、結果として一部の
 機能や指標に限られた有効性であった場合でも
 データとして使用できる。
 ただし、ある機能について複数の検査で評価
 した場合又は複数の文献で評価されている場合、
 結果の一貫性や合理性について考察することが
 必要である。」

この点も気にかけた記載と考えれられますね。

それでは、またメールしますね。