機能性表示最新情報 134 号 / 2成分の総量でのSR

こんにちは。

YDCのミッシーです。

今年も残すところあと1カ月となりました。

毎度のことになりますが、年末前は駆け込みの
届出申請が増えて、届出データベースの
サーバーが混雑します。

思わぬタイムロスになりますので、年内の
申請をお考えの方は、余裕を持った対処を
お勧めします。

さて、

それでは今回の事例のご紹介です。

E480 青魚バランスケア EPA(イーピー
エー)+(プラス)DHA(ディーエイチエー)

「本品にはEPA・DHAが含まれます。
  EPA・DHAには、加齢に伴い低下する
  健康な中高齢者の認知機能の一部である
  記憶力(言葉や見たものを思い出す力)を
  維持する機能が報告されています。
  また、EPA・DHAには健康な成人の
  血中の中性脂肪値を低下させる機能が
  報告されています。」

EPA・DHAで認知機能や中性脂肪値への訴求は、
よくある事例といえます。

注目したいのは、別紙様式5-3の「EPAとDHAの
総量で機能性を有するとする根拠」という
説明です。

これによると、「様々な混合比率のまま
EPAとDHAを合算した総量として機能性研究が
行われており、比率と有効性との間に関連性は
認められていない。

したがって、本研究レビューは、EPAとDHAの
総量として実施した。」とされています。

これまでにもEPAとDHAを総量として評価する、
とSR本文中に記載のある事例はありました。

しかし、実際には採用した文献のいずれかが、
届出品の根拠となるようになっており(例えば、
群間有意差のある文献AはEPA10mg、DHA120㎎、
対して届出品はEPA15㎎、DHA125㎎というように、
EPA・DHAそれぞれが有効量を満たす)、EPAと
DHAの総量だけで評価しているものでは
ありません。

なぜならば、下記のような指摘があるからです。

「研究レビューについて、採用文献における
  機能性関与成分の一日当たりの摂取目安量
  (EPA15mg、DHA150mg)と本届出食品の
  一日当たりの摂取目安量(EPA120mg、DHA
  70mg)が異なります」

実際にE480でSR(認知機能)の採用文献を
見ていくと、届出品(EPA:630㎎、DHA:270㎎)
よりもEPA、DHA量が少ないものは、Stough2012
(EPA:60㎎、DHA:252㎎)のみ。

他の文献は最低でもDHA480㎎のため、条件に
合いません。

さらに、このStough2012にしても群間有意差
なしのため使えません。

よってE480は総量での評価にならざるを
えません。

そのため、別紙様式5-3において、EPAはDHAへ、
DHAはEPAへ生体内で変換されることを文献を
もとに説明しつつ、

「EPAとDHAは体内で相互に変換されることから、
  現時点で混合物として摂取したEPAとDHAとを
  区別して扱うことは困難である。
  そのため、様々な混合比率のままEPAとDHAを
  合算した総量として機能性研究が行われて
  おり、比率と有効性との間に関連性は認め
  られていない」

と説明します。

以前なら、総量でのSRでは先のような指摘が
あったのですが、合理的説明が可能であれば、
それを認めるようになった、ということ
かもしれません。

ではまたメールしますね。