機能性表示最新情報 132 号 / 鶏か豚か、イミダゾールジペプチド 1971 号

こんにちは。

YDCのミッシーです。


急に寒くなってきて、温かい鍋などが
恋しい季節になってきました。


鶏肉の水炊きも、豚肉のミルフィーユ鍋も
甲乙つけがたいところです。


今回はそんな鶏と豚の関係する事例の
ご紹介です。


E433 枝豚肉氷温熟成氷室豚 14日熟成

「本品には、イミダゾールジペプチドが含まれ
  ています。
  イミダゾールジペプチド200mg(本品
  40g)には、一過性の疲労感を軽減する
  機能があることが報告されています。
  また、イミダゾールジペプチド1,000mg
  (本品200g)には、中高年の方の加齢に
  伴い低下する認知機能の一部である記憶力
  (言葉を覚え、思い出す能力)を維持する
  ことが報告されています。
  一時的な疲れを感じている方や、加齢に
  よる記憶力低下を感じている方に適した
  食品です。」


チャレンジな要素のある届出で、摂取量を
変えて、疲労感と認知機能の2タイプの
ヘルスクレームを採用しています。


また、その際にそれぞれの摂取量を届出表示の
中に入れ込んでいくという表現方法をとって
います。

E433は2つのSRを採用し、疲労感は採用文献5報、
認知機能では採用文献3報です。


ここで不思議な点があります。


本品は当然豚肉由来のイミダゾールジペプチドに
なるはずですが、採用されている文献はいずれも
鶏肉由来のイミダゾールジペプチドです。


同等性の問題はどうなるのでしょうか?


また、本品は生の豚肉ですが、豚肉を生で食べる
ことはありません。


加熱調理をするはずで、摂取の方法でも必ず加熱
調理をすることを記載しています。


そうなると、記載されているイミダゾール
ジペプチド含有量は、加熱調理後の値が必要と
思われますが、それを示すような記載は
見当たりません。


1つ1つ見ていきましょう。


まずは文献の同等性について。


イミダゾールジペプチドは総称的な成分名であり、
その構成はカルノシンとアンセリンです。


鳥の場合、この比率は1:3であり、ヒト、豚、
牛は1:1とされています。


これだけを見ると、同等性に問題があるように
思えます。


しかし、別紙様式5-4において、エビデンスと
共に次のように記載しています。


「採用文献のイミダゾールジペプチドはいずれも
  カルノシンおよびアンセリンであり、また、
  カルノシンおよびアンセリンはその効果が同等で
  あることが示されていることから、本機能性
  関与成分をイミダゾールジペプチドとすることに
  問題はないと判断した。」


このロジックで、同等性は問題なしとしています。


次に生なのか、加熱後なのかという点ですが、
別紙様式5-16にはこうあります。


「届出する本品は、カット豚肉(生鮮食品)で
  あるが、(1)本品は調理され、(2)味・におい
  などで食欲を高め、(3)咀嚼し嚥下することで、
  より吸収機能を高めると予想される」


この場合、特に記載はしていないが、調理される
ことは想定しており、それも含めて機能性関与
成分量として問題のない摂取量になっている、
ということを暗に示したいのでしょうか?


提示されている資料からでは、その辺りが
判然としません。


ちょっと不思議な受理という感じがします。


ではまたメールしますね。