機能性表示最新情報 111 号 / 「死菌」届出の考え方 and 歩行機能の言える範囲

こんにちは。

YDCのミッシーです。
届出番 号E番台が開始されたのは、5月30日のことでした。
それから半月ほどで、あっという間に受理件数が50件を
超えてしまいました。
非常にハイペースで、今年度は何件の受理事例が
現れるのでしょうか。

さて、

今回の機能性表示最新情報 は、そんなハイペースの
受理の中から2つの事例をご紹介します。
E58 ダイエタリーF(エフ)乳酸菌5000億個 

「本品には乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
 (EC-BabyM)と難消化性デキストリン(食物繊維)が
  含まれ、腸内環境と便通を改善します。」
届出者はエム・フーズさん。
RCTによる届出で、試験機関はYDCのリエゾンである
JACTAが実施、YDC直接サポート事例です。
機能性関与成分の一つ「乳酸菌エンテロコッカス・
フェカリス菌(EC-BabyM)」は、初出の成分で、
EC-BabyMはエム・フーズさんが保有する乳酸菌の菌株です。
本件の特徴は、「乳酸菌エンテロコッカス・フェカリス菌
(EC-BabyM)」が死菌であるということです。
死菌にまつわる問題については、これまでにも林田先生が
セミナーで紹介されていました。
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ご興味ある方は、下記URLよりWEB視聴をお申し込みください。
WEBセミナー (4月5日開催分)

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死菌を機能性関与成分として届出する上で基本となるのは、
次のような考え方になると思われます。
(1)菌の代謝物等が製造工程で取り除かれていること。
(2)エビデンスも(1)の仕組みに基づいて作られて
     いること。
E58は本品を用いたRCTですから、(2)は自動的に
クリアになります。
(1)については、作用機序において、製造工程の資料
(非公開)を交えながら、代謝物の排除を説明することで、
受理にたどり着きました。
次に、

E60 アミノエールゼリータイプ ロイシン40

「本品にはロイシン40%配合必須アミノ酸※が含まれます。
  ロイシン40%配合必須アミノ酸※は、足の曲げ伸ばし
  などの筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
  加齢によって衰える筋肉の合成をサポートすることにより、
  歩行機能の向上に役立つことが報告されています。
  ※ロイシン40%配合必須アミノ酸には、ロイシン、
  リジン(塩酸塩として)、バリン、イソロイシン、スレオニン、
  フェニルアラニン、メチオニン、ヒスチジン(塩酸塩として)、
  トリプトファンが含まれます。」
届出者は味の素さん。
昨年末に発生した「歩行機能の改善」問題の時に
取り下げられたB513のニューバージョンというところ
でしょうか。
SRについては、作り直しているようですが、採用文献は
同じ2報です。
パッケージのデザインなどもぱっと見では、ほとんど
同じですね。
以前、味の素さんでは機能性関与成分を
「ロイシン40%配合必須アミノ酸」としていました。
しかし、E60からはロイシン40%配合必須アミノ酸の内訳を
記載するという、C400のファンケルさんと同じ形式に
変更したようですね。
成分名をはっきりさせるように、指摘があったのかも
しれません。
さて、

この件で一番注目したいのは、「歩行機能の向上に役立つ」
という表現です。
実はつい先日、E16でも同じ表現があり、問題となった
「歩行機能の改善」と近い表現なのによく受理された
ものだと、林田先生もメルマガ(機能性表示水面下情報)で
仰られていました。
二度偶然で通ることはないでしょうから、ここまでは
消費者庁の許容できる表現ということになるのでしょう。
今度はそれが変わらないことを願うばかりです。
ではまたメールしますね。