機能性表示最新情報 107 号 / 複数クレームの注意点

こんにちわ。

YDCのミッシーです。
今回の機能性表示最新情報 は、最近ますます増えている
複数クレームを採用した事例について取り上げます。
複数クレーム、あるいは複数成分の場合もですが、
届出表示が複雑になりがちなため、

思わぬところに落とし穴があることも・・・。
まずは、複数クレーム、複数成分について、
受理事例のご紹介から。
D645 トリプルスタイル

「本品には、アフリカマンゴノキ由来エラグ酸、
  ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン、
  パイナップル由来グルコシルセラミドが含まれます。

  アフリカマンゴノキ由来エラグ酸には、肥満気味な方の
  体重や体脂肪、ウエスト周囲径および中性脂肪を
  減らすのを助け、高めのBMI値の改善に役立つことが
  報告されています。

  ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンには、
  中高年齢者において加齢により衰える歩行能力の
  維持に役立つことが報告されています。

  パイナップル由来グルコシルセラミドには、肌の潤い
  (水分)を逃がしにくくする機能があることが報告
  されています。

  肌が乾燥しがちな人に適しています。」
届出者はピーチジョンさん。
3成分、3クレームという、まさにトリプルなスタイルの
事例です。
アフリカマンゴノキ由来エラグ酸、ブラックジンジャー
由来ポリメトキシフラボン、パイナップル由来
グルコシルセラミドはいずれも人気のある成分で、
事例数を伸ばしていますが、

D645はこの三つを同時に配合することで、見事に他との
差別化を果たした商品と言えますね。
ここまでのものではなくても、複数の成分を入れる、
一つの成分で複数のクレームを謳うというパターンは
増えています。
そういった場合、それぞれのクレームをつなぐ接続詞に
注意する必要があります。
具体的にどういうことか、ここではわかりやすく、
難消化性デキストリンを機能性関与成分とした
次のような例をもとに考えてみます。
「本品には難消化性デキストリンが含まれます。

  難消化性デキストリンには食後の血糖値の上昇を
  穏やかにし、中性脂肪の上昇を抑える機能が
  あることが報告されています。」
一見するとよくありそうな文言ですが、この表現には
微妙なところがあります。
「・・・血糖値の上昇を穏やかにし、中性脂肪の上昇を・・・」
に対して、

「2つの機能が同時に得られるとする科学的根拠に基づく
説明がされているか」といった指摘が入る恐れがあるためです。
一般的な難消化性デキストリンの場合、血糖値でSR一つ、
中性脂肪でSR一つ、というそれぞれ別のエビデンスと
なっています。
このため、届出表示の表現としてもそれぞれ切り分けることが
必要と判断され、先のような指摘がなされたものと思われます。
ではどう書くのが良いかと言えば、確実なのは

「難消化性デキストリンには・・・報告されています。
  難消化性デキストリンには・・・報告されています。」

というように文を区切って並列にすることです。
しかし、この書き方は若干スマートさに欠けて嫌だ
という方もいるかもしれません(ご紹介したD645のように、
それぞれが違う成分であれば気になりませんが、
「難消化性デキストリン」のような字面が何度も
登場するのは堅苦しいなど)。
他には、「」で括る(D592)、1、2のように記 号を
ふる(D474)といった事例も見受けられます
(注意。事例を参照するときは新しいものを見てください。
以前はこのあたりの指摘が緩かったため、古い事例には
あいまいな表現があります)。
どうしても一文に収めたいのであれば、
「・・・(and)・・・」ではなく、「・・・(or)・・・」
となるような接続詞にするのが良いと思います。
また、こうした指摘はパッケージの強調表示でもある
ことなので、そちらの場合は、文章に加えて、

デザイン等を変えながら工夫する必要があります。
ではまたメールしますね。
「こういう表示は通るのか?」とお悩みの方は、

info@yakujihou.com(中田)まで
お問い合わせください。