機能性表示最新情報 85 号 / サントリー「ロコモア」機能性表示へ進出!

こんにちわ。YDCのミッシーです。
今週の機能性表示最新情報 ですが、
今回は興味深い受理事例が複数あります。
なので早速ご紹介に移りましょう。
まず、

D187 えがお 歩行力サポート

「本品にはブラックジンジャー由来
  ポリメトキシフラボンが含まれます。

  ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは
  年齢とともに低下する脚の筋力に作用することにより、
  中高年の方の歩く力を維持することが
  報告されています。」
「ブラックジンジャー由来」とする機能性関与成分は
届出番 号B番のころにありましたが、それ以降は姿を
見かけませんでした。
これは、ブラックジンジャーの中で機能性に関係する
成分の特定に困難があった、という事情によるもの
ですが、ついにその問題が解決したようです。
そのロジックとしては、ブラックジンジャー抽出物から
ポリメトキシフラボンを含まないものを分画して、
作用の有無を確認したというもの。
原料メーカーによって行われた試験報告書の内容を
参考文献とした記載が、作用機序に組み込まれていました。
ちなみにここでいうポリメトキシフラボンは、
6種類のメトキシフラボンをあわせたものとなっているため、

分析方法を示す資料を見ると、6種類すべての
メトキシフラボンについて、定量・定性試験を行っている
ことが分かります。
次に、

D189 健脳ヘルプ

「本品にはクルクミンが含まれます。

  クルクミンは、年齢とともに低下する認知機能の
  一部である記憶力(日常生活で生じる行動や判断を
  記憶し、思い出す力)や注意力(注意を持続させて、
  一つの行動を続ける力)を維持する機能があることが
  報告されています。」
届出者は小林製薬さん。
クルクミンと言えば肝機能のイメージが強いのですが、
D189は認知機能を訴求しています。
SRでは1報を採用。
この採用文献では、単回摂取と4週間の継続摂取の両方を
行っており、結果を見ると、

単回摂取の方が有意差のある指標が多くなっています
(3つの指標に関し、単回摂取は3つとも群間有意差あるも、
継続摂取は1つのみ)。
ただ、届出資料においてその事の説明は特に行なわず、
長期摂取を主とした他の成分の届出表示と同じような
表現に落ち着かせた、という感じです。
最後は、

D191 ロコモア

「本品には、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、
  ケルセチン配糖体、アンセリンが含まれます。

  グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、
  ケルセチン配糖体、アンセリンの4成分の組み合わせは、
  ひざ関節と脚の筋肉に働きかけ、加齢により衰える
  ひざ関節機能を維持すること、歩行機能の一部である
  日常生活における歩く速さを維持することが
  報告されています。」
ヘルスクレームはひざ関節と歩行。SRの採用は1報で、
自社で行った試験の論文を拾っている模様。
ひざ関節についてはJKOMを指標として
「ひざ関節機能を維持する」を導くとしています。
しかし、その前段にあたる
「ひざ関節と脚の筋肉に働きかけ、」の、
特に筋肉に関しては明確なエビデンスが示されていません。
作用機序には、ひざ関節と筋肉についての文献が
紹介されていることから、それを基にした
(やや強引な)届出表示と思われます。
また、歩行については、通常歩行速度を
指標としています。
そこから、

”歩行速度は歩行機能の一部であるため、
「歩行機能の一部である歩行速度」と言える。

「歩行速度」は、言い換えると「歩く速さ」を
意味していることから、「歩行機能の一部である
歩行速度」は「歩行機能の一部である歩く速さ」
と言える。”

という演繹的な説明によって「歩行機能の一部
である日常生活における歩く速さを維持する」を
導いていました。
なんとも複雑な言い回しをしていることを考えると、
なにか消費者庁から指摘があったために、

こういう方法で今の届出表示に落ち着いたのかも
しれませんね。
ではまたメールしますね。

PS

機能性表示はどんどん複雑化しています。
今まで通っていたものが通らなくなるケースも
多発しています。

通り一遍の届出書類を作っても何の意味もありません。
私どもは豊富かつ最新の情報に基づき様々な成功事例を
生み出しています。

消費者庁の動向もいち早くキャッチしています。

今週も差戻しでデッドロックに乗り上げていた案件を
消費者庁とやり取りして解決しました。
差戻しで困っている方は、

info@yakujihou.com(中田)まで
お問い合わせ下さい。