機能性表示最新情報 293号 / 日本人への外挿性

こんにちは。YDCのミッシーです。

4月になり年度が変わりました。機能性表示
の届出番号は、この4月に申請したものから、
次の「I」の番号が振られます。今はまだ公
表されている事例は3月以前のものなので
「H」番ですが、これも1200件程度にまで
なっており、最終的な件数は2021年(G番)
と同じくらいにはなりそうです。

それでは今回の機能性表示最新情報をご紹介
します。

◆H1164 cereboost Capsul
e(セレブースト カプセル)

「本品には、アメリカンジンセン由来ジンセ
ノサイドが含まれます。アメリカンジンセン
由来ジンセノサイドには、一時的な疲労感を
軽減することに役立つ機能、一時的に落ち込
んだ気分を前向きにすることや一時的な不安
感を緩和することに役立つ機能が報告されて
います。」

アメリカンジンセン由来ジンセノサイドは初
出の成分です。過去の事例としてジンセノサ
イドRg1を含むH1127や、ジンセノサイド
Rg1,Rb1,Rg3を含むH994などありましたが、
これらの成分とは、ジンセノサイドRg1など
の構成比率が異なる、ということです。

ところで、H1164は1報採用のSRですが、採用
文献の対象者はイギリス人と思われます。対
象者に日本人がいない場合に、その文献を適
用できるのか、というのはよく聞かれる質問
です。

こういった場合、日本人への外挿性を検討す
ることになりますが、(その是非はおいて置
き)機能性表示では外挿性の検討はさほど厳
しくない印象があります。例えばH1164では
以下のように説明されます。

「外挿性について、疲労感に係わるミトコン
ドリアのエネルギー代謝調節機能及び気分等
に係わる海馬からのアセチルコリン放出メカ
ニズムは日本人を含めて人種 間差はない。
これらの作用機序に係るアメリカンジンセン
由来ジンセノサイドは人種間差無く機能を発
揮することができると判断し、外挿性に問題
はないと考える。」

「ミトコンドリアのエネルギー代謝調節」や、
「海馬からのアセチルコリン放出」など、人
体の一般的なメカニズムに性差や人種差がな
いので、それらを介して発揮させる成分の機
能性にも性差や人種差はない、とするのがよ
くある説明です。

H1164の場合、上記の説明には特に研究報告
などの出典が示されているわけではなく、考
察といった体です。こういった例は多くあり
ます。これが、外挿性に関してはあまり厳し
くないとした所以です。とはいえ、裏付けと
なる何かしらのエビデンスががあった方が、
安心できるのではないでしょうか。

それでは、またメールしますね。