機能性表示最新情報 266号 / 吸収と排出

こんにちは。YDCのミッシーです。

機能性表示の訴求には、ダイエット訴求、認
知訴求や睡眠訴求などメジャーなものから、
口腔衛生や血管関係など、まだ数の少ない訴
求など複数のジャンルがあります。しかし、
中にはこうしたジャンルの分類が難しい訴求
もあります。

今回の機能性表示最新情報は、そんな訴求の
一つである「吸収の促進」について取り上げ
てみます。

「吸収の促進」については、以下の2つが代
表事例です。

◆F646 マルトビオン酸Caゼリー

「本品にはマルトビオン酸が含まれています。
マルトビオン酸には、食事に含まれる鉄、カ
ルシウムやマグネシウムの吸収を促進する機
能があることが報告されています。」

◆F933 オリゴワン オリゴ糖シロップ 分包

「本品には乳糖果糖オリゴ糖が含まれていま
す。乳糖果糖オリゴ糖は、おなかの中のビ
フィズス菌を増やして、腸内環境を良好に保
ち、便通を改善することが報告されています。
また、乳糖果糖オリゴ糖は、食事に含まれる
ミネラル(カルシウム・マグネシウム)の吸
収を促進することが報告されています。」

吸収促進を導く指標として、F646では尿中に
含まれる鉄、カルシウムやマグネシウムの量
を測定し、有意に増加していることを確認し
ています。これは、体に吸収された鉄、カル
シウムやマグネシウムが体内での様々な経路
を通って、最終的に排出されたものであり、
吸収の評価指標になりえるとしています。

一方、F933では、上記と同様の尿中のカルシ
ウム・マグネシウムの測定に加えて、カルシ
ウムやマグネシウムの「吸収率」も指標とし
ています。この指標(吸収率)は摂取したカ
ルシウムやマグネシウムの量から、糞便中に
含まれるカルシウムやマグネシウムの量を差
し引くことで求めるものです。つまり、糞便
中に含まれるカルシウムやマグネシウムは、
吸収されることなくそのまま排出されたもの、
ということになります。尿中のカルシウムや
マグネシウム量とは意味するところが逆に
なっているのが興味深いところです。

ところで、吸収は体の中に何かを留めるわけ
ですが、それとは逆に排出を謡う届出表示も
あります。例えば以下の事例です。

◆F232 トリプルバリア 青りんご味

「本品にはサイリウム種皮由来の食物繊維が
含まれます。食事中の脂肪、糖、塩分の便へ
の排出を増やし、食後の中性脂肪や血糖値の
上昇を抑え、高めの血圧を下げる機能があり
ます。また、お通じの回数や量を増やす便通
改善機能が報告されています」

この事例において、「食事中の脂肪、糖、塩
分の便への排出を増やし」は作用機序にあた
りますが、その根拠としては糞便中に含まれ
る脂肪、糖、塩分であることが示されていま
す。

吸収と排出の違いはあれど、どちらの場合で
も排泄物中に含まれる成分の量に注目してい
ることは共通していて、おもしろい所ではな
いでしょうか。

それでは、またメールしますね。