機能性表示最新情報 211号 / 3種類の脂肪訴求とアウトカムの関係

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
機能性表示のご相談の中でもダイエット系の商品は
多く、特に「脂肪」関係の訴求は根強い人気があり
ます。
しかし一口に脂肪訴求とは言っても、どういうアウ
トカムを採用するかによって、届出表示の表現や、
そこから導かれるイメージは異なってきます。今回
は、そんな脂肪訴求とアウトカムの関係についてま
とめてみました。
 
脂肪関係を訴求するアウトカムは、大きく分けて次
の3つです。
(1)血中中性脂肪
(2)体脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪面積)
(3)脂肪消費
 
(1)はおそらく最もポピュラーな事例で、難消化
性デキストリンなどが代表格です。
食事からの脂肪の吸収を抑える、という作用機序を
絡めて、次のような届出表示になることが多いです。
「難消化性デキストリン(食物繊維)には、食事か
ら摂取した脂肪の吸収を抑えて、食後の中性脂肪の
上昇を抑える機能があることが報告されていま
す。」
 
食事と脂肪についてフォーカスした訴求を目指すの
であれば、このタイプになるでしょう。
 
(2)はエラグ酸や葛の花由来イソフラボンなどに
代表される事例です。
CTなどを使って実際の脂肪面積を測定しますから、
「お腹の脂肪が〇〇センチ減った」というようなコ
ピーを使用されたい場合は、このアウトカムが必須
です。また、ウエスト周囲径なども併せて次のよう
な届出表示になります。
 
「葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類とし
て)には、肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内
臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを
助ける機能があることが報告されています。」
 
(3)については、(1)(2)に比べると事例数は
少ないですが、ブラックジンジャー由来ポリメトキ
シフラボンなどが目立ちます。
 
「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは
日常活動時のエネルギー代謝において、脂肪を消費
しやすくする機能があることが報告されていま
す。」
 
「脂肪を消費しやすくする」の他にも「脂肪の燃焼
を高める」「体脂肪の燃焼を促進」といった表現の
成分もありますが、いずれもアウトカムとしている
のは「呼吸商」です。
 
呼吸商は、呼気に含まれる酸素と二酸化炭素の排出
量の比率から、脂肪の消費効率を見る指標です。
(1)(2)と違って、脂肪の増減を直接測定してい
るわけではない、という点には注意が必要です。
「脂肪が減った」と言い切ってしまうと、機能性の
逸脱になる可能性があります。
 
(3)は、(1)や(2)の訴求と合わせて使用した
り、運動に関係するような訴求と合わせると効果的
というところでしょうか。
 
RCTの場合でも、SR の場合でも、最終的にどんな形
で脂肪訴求を展開するのあらかじめ想定して、アウ
トカムを決めておくことが大事ですね。
 
 
それでは、またメールしますね。