機能性表示最新情報 170 号 / 脚の筋力と歩行の関係

こんにちは。

YDCのミッシーです。
コロナによる消費者庁の非常態勢も終わって、
受理のペースは元に戻っているはず
なのですが、

なぜか、変更届の審査に意外と時間が
かかっているような気がします。
連休など暦の都合によるものでしょうか?

さて、

今回の機能性表示最新情報は、最近頂いた
こんな質問からです。
Q1「下半身の筋力に関して、膝伸展や膝屈曲で
    有意差の出ている論文があります。
    これらのデータから歩行能力の機能性を
    うたうことはできないでしょうか?」

「歩行」関係の訴求については、一連の撤回の
事例もありますから、慎重に判断したほうが
良いと思います。
参考に、最近の「歩行」関係事例としては、
例えば次のようなものがあります。
F97 スタコラ

「本品にはブラックジンジャー由来ポリメトキシ
  フラボンが含まれます。ブラックジンジャー
  由来ポリメトキシフラボンは、足の曲げ伸ばし
  等の筋肉に軽い負荷がかかる運動との併用で、
  年齢とともに低下する脚の筋力に作用すること
  により、中高年の方の歩行能力の向上に役立つ
  ことが報告されています。」
SRは2報を採用で、いずれも6分間歩行テスト
(6MWT)を効果指標としています。
6MWTは歩行能力の指標としてオーソドックス
なものです。
他の評価方法を使うのであれば、ポピュラー度
において少なくともこれに匹敵するような
指標が必要ではないでしょうか。

Q2「しかし、例えばHMBなどでは6MWTをアウトカム
    として採用せずに、届出表示に歩行を入れて
    いるものがあります。
    これはどうでしょうか?」

「本品には、HMBカルシウム(カルシウム ビス-
  3-ヒドロキシ-3-メチルブチレートモノ
  ハイドレート)が含まれます。 HMBカルシウム
  (カルシウム ビス-3-ヒドロキシ-3-
  メチルブチレートモノハイドレート)には、
  運動との併用で自立した日常生活を送る上で
  必要な筋力(立つ・歩くための筋力)の低下
  抑制に役立つ機能があることが報告されて
  います。筋力の衰えが気になる方に適して
  います。」
この場合、「立つ・歩くなどの日常の動作に
必要な筋力」となっているため、あくまでも
メインは「筋力」であると考えるべき
でしょう。
届出表示の中に、ただ「歩行」を入れたい
というだけであれば、これもありかも
しれません。
しかし、筋力から離れて歩行能力に
フォーカスして広告するのは厳しいように
思われます。
HMBの場合は、6MWTを評価した論文もある
ので、歩行能力を謡うのであればそちらも
アウトカムに入れたほうが良いでしょう。
そんなわけで、冒頭にご紹介した質問に
ついては、「歩行」にフォーカスしていく
のであれば、6MWTかそれに匹敵するような
指標での試験を行った方が良い、という
ことになります。
それでは、またメールしますね。