機能性表示水面下情報 15 号/更年期(2)

1.水面下情報:「更年期」(2)

(1)先週受理されたE220。

     2でも取り上げてますので詳しくはそちらを
     ご覧いただくとして、「閉経後の女性」を
     対象としたRCTにもかかわらず、
    「丈夫な骨を維持したい方に適した」という
     届出表示。

    「更年期」ワードにチャレンジしなかったの
     だろうかという疑問がわきます。
(2)第9 号で書いたように、

    (あ)「更年期以降の女性の骨の健康」を
     B177で認め、
    (い)「更年期以降も骨を丈夫に維持したい
     女性に適した」をB195・C307で認めて以降、
     骨絡みだけでなく全領域で「更年期」表現を
   認めていません。
(3)本件は内容的に(あ)や(い)の届出表示で
     行けた案件だと思いますが、届出者が
     チャレンジしなかったのか、消費者庁がNGを
     出したのか、後者だとしたらそれはなぜ
     なのか、私どもの独自の調査網で調べて
     そのうちまた書きたいと思います。
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2.注目すべき受理事例

E220(YDC機能性表示データブック1-4-13-4>>>

*N34登録で15名(44%)のデータを棄却

A.商品名:
  骨密度の維持に役立つ オリゴ糖酸Ca
 (カルシウム)(マルトビオン酸Ca含有)
B.届出者:サンエイ糖化株式会社
C.届出表示:
  本品にはマルトビオン酸Caが含まれるので、
  骨密度の維持に役立つ機能があります。
  本品は丈夫な骨を維持したい方に適した
  食品です。
D.YDCのコメント:
・評価指標。

  主位がDEXA法(X線を使った骨密度評価)、
  副次が抹消血液検査による骨代謝
  パラメータ測定。
・『「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012 年度
  改訂版)」を参考に、骨粗 鬆症の診断基準と
  なっている左大腿骨または腰椎正面の骨密度を
  主要アウトカムとし、末梢血液検査による
  骨代謝マーカーを副次的アウトカムとし評価』
  としています(様式5-2 )。
・非疾病者。

  YAM値をメルクマールとしています。
・『骨粗鬆症は、「原発性骨粗鬆症の診断基準
  (2012 年度改訂版)」において、大腿骨
  または腰椎の骨密度がYAM値(若年成人平均値)の
  70%以下と定義されている。
 
  このため本試験では、・・左大腿骨頸部または
  腰椎正面総量のYAM値が(若年成人平均値) 
  72~100%で、年齢が50歳以上69歳以下の閉経
   (自然閉経) 後1年以上経過したと自覚している
  女性を対象』としたとしています(様式5-2)。
・結果。

  主位指標に関してはいくつものポイントで
  群間有意差があります。

  副次に関しては、骨形成マーカーである骨型
  アルカリフォスファターゼ(BAP)に群間有意差
  があります。
・なお、様式1では、「摂取12週間後および
  24週間後の腰椎正面総量の骨密度は、プラセボ
  食品群では低下傾向にあったが、試験食品群
  では有意な増加が確認された。

  また、骨吸収マーカーである破骨細胞にのみ
  存在する酵素TRACP-5bは、摂取前には両群で
  基準値(120~420mU/dL)よりも高値であったが、
  試験食品群では介入期間中に基準値内までに
  低下する傾向が観察された。」と、群間有意差
  に言及していませんが、その理由は不明です。
E.所感:
・データ棄却率44%は大英断だと思います。
・「骨密度」の届出表示はD573に次いで2件目。

  マルトビオン酸Caは初出成分。

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