機能性表示水面下情報 12 号/形式審査への回帰

1.水面下情報:形式審査への回帰

(1)最近の審査状況を見ていると、制度本来の
      設計である「形式審査」に戻りつつある
      感じがします。
(2)特にエビデンスがそうです。

      たとえば、機能性のエビデンスに関しては、
      群間有意差が求められますが、その考察が
      してあれば形式的にはOKなので、
      「その考察の有無のチェックはするが
      内容的に正しいかどうかまでは見ない」
      というスタンスです。

      結果、内容的にどうかというエビデンスが
      最近よく見られますが、そこは
      「みんなで議論しろ」
      「問題あるなら疑義を出せばよい」
      というのが形式審査のスタンスです。
(3)しかし、形式論理で判断できるところは
      依然として細かくチェックしています。

      たとえば、ヘルスクレームとパッケージ。

      パッケージの表示はヘルスクレームの
      受理の考え方を正しく反映するもの
      でなければなりません。

      一例を挙げると、「一時的な精神的ストレス」。

     これに関して現状の運用は、事務的作業、
     デスクワーク、勉強などの物理的負荷を
     原則としてヘルスクレームに書かせる、
     ということになっています。

     にもかかわらず、
     「一時的な精神的ストレスに!」と
     パッケージに書いていると、
     「認めた機能性の範囲を超える」という
     指摘が来るのでご注意下さい。

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2.注目すべき受理事例

E149(YDC機能性表示データブック1-4-2-25 >>>

*「ミドルエイジの女性」と「更年期」

A.商品名:シンデレラ乳酸菌
B.届出者:アピ株式会社
C.本品には乳酸菌クレモリスH61株(L.lactis subsp. 
  cremoris H61)が含まれます。乳酸菌クレモリス
  H61株(L. lactis subsp. cremoris H61)には、
  ミドルエイジの女性の肌の潤いを逃がしにくく
  する肌のバリア機能を高めることが報告されて
  います。肌の乾燥が気になるミドルエイジの
  女性の方に適しています。
D.YDCのコメント:

・関与成分量は400億個/日。
  
  SRは自社。

  採用文献は1報([1]加藤ら2013)。

  採用した研究はRCTで試験期間8w。
・肌に影響を及ぼす処置や治療を受けていない
  20歳以上の女性104名が参加し、そのうち
  40歳以上を対象としたサブ解析を実施(N69)。

  サブ解析において、経皮水分蒸散量の有意な
  低下が認められました。そこから、
  「ミドルエイジの女性」と限定。
・乳酸菌クレモリスH61株は初出。
E.所感

本件は40歳以上の女性に対する層別解析によって
群間有意差を導いているが、あえて「中高年の女性」
というワードを使っていないところを見ると、
「更年期の女性」と表現したものの差戻されたので
「ミドルエイジの女性」に変えたのかもしれません。

「更年期」については9 号で書きましたが、
単純に行くと「更年期障害の予防・治癒を暗示する」
という指摘を受けるので一工夫必要です。
お悩みの方は私どもにご相談ください。

info@yakujihou.com(坂元)まで
お気軽にお問い合わせください。

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