機能性表示水面下情報 11 号/肌に関する表現

1.水面下情報:肌に関する表現

(1)これまで「紅斑」や「美白」を訴求すると
      次のような指摘を受け差し戻されていました。

     「表示しようとする機能性について、本制度に
       おいて、「紅斑」等疾病の治療・予防効果を
       標榜又は暗示する表現は認められていません。
       また、「美白」等、健康の維持及び増進の範囲を
       超えた、意図的な健康の増強を標榜するものと
       認められる表現も認められていません。」
(2)この壁をブレークスルーしたのがE103です。
     (YDC機能性表示データブック1-4-2-B >>>
  A.商品名:アスタリフト ホワイト ドリンク 
          ホワイトシールド
  B.届出者:富士フイルム株式会社
  C.届出表示:本品にはアスタキサンチンが含まれます。
    抗酸化作用を持つアスタキサンチンは、紫外線刺激から
    肌を保護するのを助ける機能性、紫外線を浴びた肌を
    乾燥から守り、肌のうるおいを守る機能性が報告されて
    います。
  D.YDCのコメント:

  ・関与成分量は4mg/日。
    SRは自社。
    採用文献は2報([1]Itoら2018、[2]佐藤ら2011)。
  ・文献[1]がポイント。
    ダブルブラインドパラレル。
    スキンフォトタイプが1または3に該当する日本人23名が
    対象。
    アスタキサンチン4mgを含むカプセルを9w摂取。
    その前後で紫外線照射。

    (1) MEDに関し、摂取前からの差分値において
        群間有意差あり。
        つまり紅斑形成に必要な最小紫外線量が有意に
        上昇。

    (2) 紫外線照射部位における皮膚水分量の低下が
        有意に軽減。

    (3) 肌のキメに関するVAS、肌荒れに関するVASでも
        群間有意差あり。
  ・(1)から「紫外線刺激から肌を保護するのを助ける」、
    (2)から「紫外線を浴びた肌を乾燥から守り、肌の
    うるおいを守る」を導いています。
    (3)は却下されたのではないかと思います。
    また、アスタキサンチンに抗酸化作用があることは、
    様式7作用機序においてヒト試験のエビデンスへの
    レファランス付きで示されており、そこから
    「抗酸化作用を持つアスタキサンチンは」を導いて
    います。
  ・健康の範囲内で疾病の治療予防でないことは
    こう説明しています。

    (あ) MED を評価した論文では31.8~63.9 mJ/cm2の
         紫外線照射を行っていた。

    (い) これは真夏の筑波で24~35 分程度外出した際に
         浴びる紫外線量と同程度で、日常的に浴びている
         紫外線量の範囲内であった。

    (う)この範囲での紫外線照射は健常の範囲内であり、
        疾病の治療効果にも予防効果にも当たらないと
        考えられる。
  ・健康の範囲内であることは、基準3「身体の状態を
    本人が自覚でき、一時的な体調の変化(継続的、
    慢性的でないもの)の改善に役立つ旨」に絡めて
    こう説明します。
  
    (a) 欧州食品安全機関においても「紫外線から肌を守る」
        ことは有益な生理学的効果であるとされておりており、
        MED の上昇は肌という組織機能の良好な維持に適する
        ものである。

    (b) 「MEDの上昇(紫外線刺激における紅斑の抑制)」は
        一時的な体調の変化(継続的、慢性的でないもの)
        であることは明らかであり、この一時的な
        「MEDの上昇(紫外線刺激における紅斑の抑制)」は、
        肌の状態として本人が自覚できる。
(3)肌に関して「うるおい」以外は絶対に認めないという
      スタンスが続いてきましたが、最近の緩和傾向の
      流れの中で認められたものと言えます。
      しかし、「肌荒れ」は認めなかった模様で、美容に
      傾くものは依然として認めないものと思われます。
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YDCでは機能性表示のポータルサイトを用意して
いますので是非ご覧下さい。

但、重要な情報はYDCの会員(シルバー以上)に
ならないと見れません。

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2.注目すべき受理事例

E140(YDC機能性表示データブック1-4-20-2-6 >>>

*イヌリンの低用量化

A.商品名:菊芋のイヌリン
B.届出者:メロディアン株式会社
C.届出表示:本品にはイヌリンが含まれます。
  イヌリンには食後の血糖値の上昇を抑える機能が
  あることが報告されています。
D.YDCのコメント:

・YDC間接サポート事例
・関与成分量は1500mg/日。

  SRは第三者機関。

  採用文献は5報([1]Tariniら2010、[2]Wadaら2005、
 [3]vanら1
999、[4]Rumessenら1990、 [5]名嶋ら2018)。
・関与成分量は[1]21.6g、[2]10.8g、[3]13.5g、
 [4]7.7gと高用量ばかり。

  唯一YDCグループJACTAの[5]のみ0.75gと低用量。

  本件は1.5gなので[5]に支えられている。

いかがでしたか?