機能性表示水面下情報 06 号

1.水面下情報

(1)このメルマガの第1 号で、消費者庁における
      BMI25-30の取り扱いのことを書きました。

      つまり、以前は、プラス内臓脂肪100センチ未満で
      健常者扱いでしたが、最近は内臓脂肪面積が
      どうであれ、BMI25-30は健常者と扱っています。
(2)この情報を知っているのと知らないのとでは、
      届出準備の大変さに雲泥の差があります。

      そのことを描き出している事例があります。

      E14がそれです。
1.まず、私どものデータブック (>>> 
   に掲載している情報をご覧下さい。
   A.商品名:「ラクトスマート」 

   B.届出者:アサヒ飲料株式会社

   C.関与成分:乳酸菌CP1563株由来の
     10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)

   D.届出表示:本品には独自の乳酸菌CP1563株由来の
     10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)が
     含まれます。
 
     乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタデカン酸
    (10-HOA)には、体脂肪を減らす機能があることが
     報告されており、BMIが高めの方に適しています。

   E.コメント:
   ・関与成分量は1.44mg/日。SRは第三者。

     文献は1報(Fujiwaraら 2018)。

     論文は自社作成で実質RCT。
   ・BMI23-30の男女200人対象、乳酸菌CP1563株菌体粉末
     200mgを18週間摂取。

     アウトカムは総脂肪面積と内臓脂肪面積。

     Fujiwaraらは内臓脂肪面積100平方cm未満(56人)[A]と、
     メタボ・肥満症以外(32人)[B]の2種の層別解析実施。
2.[B]の基準はよくわからないところがありますが、
   現在の消費者庁の運用基準に従えば、そもそも
   層別解析は不要な事例でした。
     
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2.注目すべき受理事例

  (1)E20 

   *エキスへの甘い誘い

   A.商品名:桃屋のいつもいきいき

   B.届出者:株式会社桃屋 

   C.関与成分:熟成にんにくエキス
    (指標成分:S-アリルシステイン、アルギニン)

   D.届出表示:本品には熟成にんにくエキスが
   含まれますので、睡眠の質を向上する機能があります。

     また、日常生活で生じる疲労感を軽減する機能が
     あります。

   E.コメント:
   ・関与成分は熟成にんにくエキスで、指標成分は
  (S-アリルシステインとして)1.4mg、
  (アルギニンとして)1.4mg。

     エキスとして初出。

   1エキスで2ヘルスクレーム、RCT2件。
   ・RCTで評価したエキスと安全性試験(社内試験)で
     評価したエキス、本品との同等性については、
     クロマトパタンおよび指標成分である
    「S-アリルシステイン」と「アルギニン」の含有比率、 
     含有量から確認( >>> https://bit.ly/2wM9Hce )。
     
     なお、本品は液剤のため、崩壊性試験、 溶出試験による
     同等性の確認は行っていない。
■試験(1)(長田ら2019)

・対象は女子大の学生と職員、桃屋の社員。
・12週摂取後にOSA-MA(総スコア、入眠と睡眠時間、疲労感)、
  VAS(睡眠、疲労感)で群間有意差が認められたことから、
  睡眠の質向上と疲労感軽減を導く。

  血清中のSOD活性とGPx、尿中イソプラスタンの測定も
  しているが届出では言及していない。
■試験(2)(長田ら2017)

・対象は女子大の学生と職員、桃屋の社員。

・4週摂取後にVAS(疲労感)で群間有意差が認められた
  ことから、疲労感軽減を導く。

  クレペリンテストを負荷した単回摂取の試験やPOMSも
  実施したが届出では言及していない。

■私見
・液剤ゆえ溶出試験関係なし。
 
  RCTゆえ同等性のクリアー容易。

  ということでエキスの事例としては認めやすい事例
・そのことゆえか、RCTの評価は甘々で、消費者庁として
  エキス事例を早くローンチさせたかったという意欲を
  感じる。
 (2)E16

  「グルコサミン+(プラス)コンドロイチン」
 (株式会社世田谷自然食品)

  私はこの受理を見て3度「マジか?」と驚きました。

 (1)一つの試験に対し何の連続性もなく二回論文を
      書いておられる。

 (2)沢山NGを出して来た「グルコサミン」を関与成分
      として認めている。

 (3)1社を除き撤回した「歩行能力の改善」に近い
      「歩行能力の向上を助ける」という表示を
      認めている。
詳しいことはレポートで。
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