機能性表示水面下情報 05 号

1.水面下情報
 (1)届出表示における機能性表現と作用機序表現の
      取扱いの運用上の差についてはこれまでもこの
      メルマガで言及してきました。
      つまり、両者ともヒト試験のエビデンスが必要な
      事は同じ。
      しかし、前者は群間有意差や査読雑誌への掲載が
      求められるが、後者はそうではない。
(2)この水面下の運用が先週の受理事例で表に出て
      来ました。E1がそれです。
  1.まず、私どものデータブック
   に掲載している情報をご覧下さい。
   A.商品名:MANGOSTIA(マンゴスティア)
   B.届出者:日本新薬株式会社
  C.関与成分:ロダンテノンB
  D.届出表示:
   本品にはロダンテノンBを含みます。
   ロダンテノンBは、糖化ストレスを軽減すること
   により肌の潤いを保持する機能があります。
  E.コメント:
   ・関与成分は160μg/日。初出成分。
   ・RCT。ダブルブラインドパラレル。12w。
        被験者はN20×2(解析対象はN19×2)。
        アウトカムは糖化ストレスと肌の水分値。
        糖化ストレスはAGEs(最終糖化物)と
        血中ペントシジン濃度の相関関係から
        ペントシジンで評価。
        肌の水分値はコルネオメーターで評価。
    ・肌水分値は8w、12wにおいて、群間有意差あり。
     他方、ペントシジンは8wにおいてactiveでは
        群内有意差ありplaceboではなしだが、群間有意差は
        得られていない。そこで届出表示においては
        糖化ストレスに関しては「糖化ストレスにより」と
        作用機序と位置付けている。
   2.以上より、届出表示における「糖化ストレスを軽減」と
     「肌の潤いを保持」の使い分けがご理解できると思います。
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2.注目の受理事例
(1)D689
 *チャレンジングな層別解析
 A.商品名:ファイバイタル 肉野菜みそスープ
 B.届出者:エースコック株式会社
 C.関与成分:イソマルトデキストリン(食物繊維)、
 D.届出表示:
    本品にはイソマルトデキストリン(食物繊維)が
     含まれます。イソマルトデキストリンは血糖値が
   上がりやすい方の食後の血糖値や、食後の
   血中中性脂肪が高めの方の食後の血中中性脂肪の
     情報をおだやかにする機能が報告されており、
   食後の血糖値の上昇や血中中性脂肪の高さが気に
   なる方に適しています。
 E.コメント:
  ■関与成分量は2.13g/日。
  ■食後血糖値
  ・SRは林原社。採用文献は2報
     ((1)Sadakiyoら2017、(2)Isidaら2017)。
  ・D125、D256と同じ立て付け。届出表示において
      D125にはあり、D256にはなかった「血糖値が上
      がりやすい方」が復活。この対象の層別解析で結果を
      導いているので、この文言を届出表示に入れるのは
      当然と思われる。
   ・文献(1)から2試験((1)-1,(1)-2)を採用し、(1)-1は
      イソマルトデキストリン8.08g+マルトデキストリンを
      46.8gを、(1)-2はイソマルトデキストリン8.08g+
      ショ糖100gを単回摂取。
      文献(2)はイソマルトデキストリン2.13g+グルコース50g
      を単回摂取。(1)-1では血糖値(変化量)70mg/dL以上、
   (1)-2では血糖値(変化量)75mg/dL以上、(1)では
   Cmax(変化量)上位1/2以上(いずれもプラセボ摂取時、
   食後何分後かは不明)の層別解析で有意差があることから、
   “食後血糖値が上がりやすい方”を導く。
    ・上記のように、3試験で層別解析の基準が異なっており、
      チャレンジングな層別解析。
  ■食後中性脂肪
   ・SRは林原社+オクトエル社。
      採用文献は1報(Takagaki2018)。
  ・採用研究:被験者は空腹時TG 81.2±26.7 mg/dLの健常者40名。
    プラセボ摂取時のCmaxが200mg/dL以上となる被験者14名を
      括り出し、食後4H後のTGに関し群間有意差を導く。
  ・こちらの層別解析もチャレンジング。
(2)E5
  *限りなくアトピーに近いムズムズ感
 A.商品名:アカポリ肌ケア
 B.届出者:株式会社アカシアの樹
      (旧社名:株式会社mimozax)
 C.関与成分:アカシア樹皮由来プロアントシアニジン
 D.届出表示:
    本品には、アカシア樹皮由来プロアントシアニジンが
  含まれるので、肌(顔)の乾燥による不快感(ムズムズ感)
  がある成人において、肌(顔)の乾燥を緩和して肌(顔)
  の潤いを守るのを助け、肌(顔)の保湿力(バリア機能)
  を守る機能があり、不快感を改善する機能があります。
  肌(顔)の乾燥が気になる方、肌(顔)の乾燥による
  不快感(ムズムズ感)がある方に適した食品です。
 E.コメント:
  ■関与成分量は245mg/日。
      C151.D219に続くアカポリシリーズ第3弾。
   C151.D219は食後血糖値で関与成分量は163mg/日だった。
  ■RCT。ダブルブラインドパラレル。8w。N66。
      客観評価で群間有意差が得られたのは8wの蒸散量値のみ(TEWL)。
      主観評価として、
   (A)Skindex-16 score、
      (B)DLQI(Dermatology Life Quality Index)、
   (C)VAS(desire to scratch=かゆみ感)を採用。
   (A)は結果出ず。
   (B)で群間有意差が見られたのは、symptom/feelingの
    総括的評価(4w)。
    かゆみ・ひりひり・痛み・チクチク感
       (itchy, sore, painful, stinging。4w)
    回復感(treatment。4w)。
     (C)も4wで群間有意差あり。
    被験者は肌にむずむず感のある人を集め、
        TARC<450pg/mL IgE <170 IU/mLを採用。
  ■以上からすると、
      (1)届出表示中の「肌(顔)の乾燥による不快感
       (ムズムズ感)がある成人において」は被験者募集基準から
        導き、
   (2)「肌(顔)の乾燥を緩和して肌(顔)の潤いを
        守るのを助け、肌(顔)の保湿力(バリア機能)を守る
        機能があり」は蒸散量から導き、
   (3)「(乾燥による)不快感を改善する」は上記の(B)(C)から
        導いていることになる。
  ■これまでこの手の届出表示はアトピーの暗示等の理由で
      厳しく判断されて来たが、その割には、本件はその点の
      説明はV-2にはなく、様式Iの評価の欄に「血液検査に
    おいてアトピー性皮膚炎ではなくアレルギー体質でも
      ないヒトを対象とした」との記述があるだけで、
      緩和された感がある。
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