弁護士出身の実業家・林田です。
ご存知のように、政策的理由(制度の棲み分
け)もあり、食品表示基準別表第9の第1欄
に掲げられている成分(>別表)は関与成分と
できません。
飽和脂肪酸はこの表に入っているので関与成分
とできません。
ところが、飽和脂肪酸に位置付けられる中鎖脂
肪酸やラウリン酸を関与成分としている例が2
つあります。
これはどういうことなのでしょうか?
第1の例はI1048(>表示見本)。
関与成分は中鎖脂肪酸です。
関与成分適格性については、様式7-1におい
てこう述べています。
“ 「脂質」は「日本人の食事摂取基準(2020
年版)」にてエネルギー産生栄養素の一つとさ
れるエネルギー産生を担う基質であり、脂溶性
のビタミンやその前駆体の吸収を高める機能が
示されている。当該製品の機能性関与成分であ
る中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸)は、前
述の通り、骨格筋のミトコンドリア生合成の増
加作用による日常活動時の脂肪酸化亢進作用を
介して肝臓や脂肪組織の脂肪分解増加作用に関
与する。
従って、当該製品の機能性関与成分である中鎖
脂肪酸(オクタン酸、デカン酸)の作用機序
は、健康増進法第 16 条の 2 第 1 項の規定
に基づき厚生労働大臣が定める食事摂取基準に
おいて策定栄養素として基準のある「脂質」と
は異なる作用機序であることから、機能性表示
食品制度の機能性関与成分の対象として問題な
いと判断した ”
→「脂質」とあるのは正確には飽和脂肪酸です
が、普通のそれとは作用機序が異なるからよ
し、としています。
もう1つの例はI182(表示見本)。
こちらはノコギリヤシエキスを関与成分とし、
ラウリン酸は指標成分としています。
こちらはこの建て付けで解決した、という感じ
で、様式7-1においても「飽和脂肪酸でよい
のか?」については全く触れていません。
2つの例いずれもこれでよいのか?という疑問
はありますが、結論的には、中鎖脂肪酸もラウ
リン酸も、関与成分とする「手はある」と言え
そうです。