機能性表示水面下情報~229号~ 中鎖脂肪酸・ラウリン酸→飽和脂肪酸→関与成分NG?

弁護士出身の実業家・林田です。

ご存知のように、政策的理由(制度の棲み分

け)もあり、食品表示基準別表第9の第1欄

に掲げられている成分(>別表)は関与成分と

できません。

飽和脂肪酸はこの表に入っているので関与成分

とできません。

ところが、飽和脂肪酸に位置付けられる中鎖脂

肪酸やラウリン酸を関与成分としている例が2

つあります。

これはどういうことなのでしょうか?

第1の例はI1048(>表示見本)。

関与成分は中鎖脂肪酸です。

関与成分適格性については、様式7-1におい

てこう述べています。

“ 「脂質」は「日本人の食事摂取基準(2020

年版)」にてエネルギー産生栄養素の一つとさ

れるエネルギー産生を担う基質であり、脂溶性

のビタミンやその前駆体の吸収を高める機能が

示されている。当該製品の機能性関与成分であ

る中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸)は、前

述の通り、骨格筋のミトコンドリア生合成の増

加作用による日常活動時の脂肪酸化亢進作用を

介して肝臓や脂肪組織の脂肪分解増加作用に関

与する。

従って、当該製品の機能性関与成分である中鎖

脂肪酸(オクタン酸、デカン酸)の作用機序

は、健康増進法第 16 条の 2 第 1 項の規定

に基づき厚生労働大臣が定める食事摂取基準に

おいて策定栄養素として基準のある「脂質」と

は異なる作用機序であることから、機能性表示

食品制度の機能性関与成分の対象として問題な

いと判断した ”

→「脂質」とあるのは正確には飽和脂肪酸です

が、普通のそれとは作用機序が異なるからよ

し、としています。

もう1つの例はI182(表示見本)。

こちらはノコギリヤシエキスを関与成分とし、

ラウリン酸は指標成分としています。

こちらはこの建て付けで解決した、という感じ

で、様式7-1においても「飽和脂肪酸でよい

のか?」については全く触れていません。

2つの例いずれもこれでよいのか?という疑問

はありますが、結論的には、中鎖脂肪酸もラウ

リン酸も、関与成分とする「手はある」と言え

そうです。