機能性表示水面下情報~142号/作用機序で攻めるのは妙手か?(1)

弁護士出身の実業家・林田です。

1.たとえば「抗酸化作用がある」ということ
 を訴求したいと考えたとします。

 この場合、届出表示のストラクチャーとし
 て2とおりあり得ます。

Plan.A これを機能性と位置づける

→(1) 「抗酸化作用がある」は届出表示に入
   れる。たとえば、「アスタキサンチン
   は抗酸化作用があり、肌のうるおいを
   保ちます」

 (2) エビデンスはヒト試験で群間有意差が
   必要。RCTの場合、査読付き雑誌への
   掲載が必要。

Plan.B これを作用機序と位置づける

 この場合、それを届出表示に入れるか、様
 式7に書くに留めるか、2とおりあり得る。

 B-1.届出表示に入れる

   たとえば、「アスタキサンチンは抗酸
   化作用があるので、肌のうるおいを保
   ちます」

  →この場合、抗酸化作用のエビデンスは
   ヒト試験が必要。群間有意差は必ずし
   も求められていない。

 B-2.様式7に書くに留める

   たとえば、届出表示は、「アスタキサ
   ンチンは肌のうるおいを保ちます」。
   様式7に、アスタキサンチンには抗酸
   化作用があり、それによって肌のうる
   おいがもたらされる、といったことを
   書く。

  →この場合のエビデンスはvitroでも良い。

   エビデンスの文書形態も何でも良く、
   社内報告書でも良い。

2.以上からすると、訴求したいアウトカムは
 作用機序と位置づけ、かつ、様式7に書く
 に留めた方が全然ラクです。

 しかも、様式7に書いているだけでも広告
 には使えます。

 「『機能性表示食品』適正広告自主基準」
 (>ルール集5-A-3-2)はこう記述してい
 ます。(P.5)

 「その商品の作用機序について消費者の理
 解を助けるような表現(文章、イラスト、
 動画等)を使用することは差し支えない 。
 ただし、作用機序を表現する場合は、原則、
 届出資料の範囲内とする。また、内容は誤
 認されないよう留意すること。さらに、機
 能性関与成分に関する作用機序でのみ考察
 し、届出した商品の場合は、あくまでも機
 能性関与成分の作用機序であって商品の効
 果を保証するような内容にならないよう十
 分に注意すること。広告の中で作用機序を
 強調しすぎると機能性表示食品の特性を医
 薬品と誤認させるおそれがあるため、十分
 に注意すること。」

 たとえば、こんな例があります。

 届出表示は「内臓脂肪を減らす」。様式7に
 その作用機序として脂肪の吸収阻害や分解
 や燃焼が書いてあり、それをこんな感じで
 広告しています(>)。

3.届出表示に色々入れて受注させるのは至難
 の業ですが、この様式7方式だと届出表示に
 なくても広告訴求できるのでラクチンです。

 但、注意しなければならないことがありま
 す。

 それは次回お話しましょう。