機能性表示最新情報 369号 / サラシノールの新SR

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

J620 サラシアエクセレント

「本品にはサラシア由来サラシノールが含まれ

ます。サラシア由来サラシノールには食事から

摂取した糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇を

ゆるやかにする機能があることが報告されてい

ます。」

サラシノールはこれまでに幾つも受理事例のあ

った成分ですが、それがPRISMA2020対応とし

て登場しています。それに際して、採用論文が

2報増加して4報となっているのですが、そこ

で選択された論文がなかなか興味深いものです。

詳しく見ていきましょう。

従来主流となっていた論文は、北林2007と

Kajiwara2017を採用したものでした。今回の

J620ではここに別府2005と小崎2008を追加し、

メタアナリシスを実施したものとなっています。

ちなみに北林2007とKajiwara2017が主流となる

まえ、初期のサラシノールのSRでは、別府2005

とHeacock2005が採用されていました。そう考

えると、今回、別府2005が採用されたことは、

復活当選のような感じがしてきます。

そして問題は小崎2008です。この論文は、以下

の事例でも採用されているものと同じです。

J141 コタラエキス+(プラス)c

「本品には、ネオコタラノールが含まれます。

ネオコタラノールには、血糖値が高めの方の食

後血糖値の上昇を抑制する機能があることが報

告されています。」

この事例は、小崎2008、1報採用のSRです。し

かし、機能性関与成分はサラシノールではなく、

ネオコタラノールとなっています。

サラシノールもネオコタラノールもサラシア属

植物に含まれる成分で、どちらもグルコシダー

ゼ阻害活性をもちます。以前から、サラシノー

ルとネオコタラノールの間には論争の種があっ

たように思いますが、そこは白黒がつかないま

ま、採用論文の試験品がサラシノールとネオコ

タラノールのどちらで規格化されているかに

よって、なんとなくすみ分けされていました。

そこで今回の小崎2008ですが、これはネオコタ

ラノール規格のはずです。実際、J620のSRの本

文中においても、以下のように記載されていま

す。

「サラシア由来サラシノール含量は記載されて

いなかったが、α-グルコシダーゼ阻害活性は

248μg/mL と明記されていたことから、サラシ

ア属植物普及協会で作成した回帰式より、試験

食品の1 回摂取量に含まれるサラシア由来サラ

シノール量を0.668mgと推定した。」

この書きぶりだと、ネオコタラノールを機能性

関与成分とするJ141とは真っ向から対立するこ

とになりそうですが、どうなのでしょうか。こ

れまでのように白黒はっきりとは答えが出ない

のかもしれませんが、興味深いところですね。

それでは、またメールしますね。