こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
J620 サラシアエクセレント
「本品にはサラシア由来サラシノールが含まれ
ます。サラシア由来サラシノールには食事から
摂取した糖の吸収を抑え、食後血糖値の上昇を
ゆるやかにする機能があることが報告されてい
ます。」
サラシノールはこれまでに幾つも受理事例のあ
った成分ですが、それがPRISMA2020対応とし
て登場しています。それに際して、採用論文が
2報増加して4報となっているのですが、そこ
で選択された論文がなかなか興味深いものです。
詳しく見ていきましょう。
従来主流となっていた論文は、北林2007と
Kajiwara2017を採用したものでした。今回の
J620ではここに別府2005と小崎2008を追加し、
メタアナリシスを実施したものとなっています。
ちなみに北林2007とKajiwara2017が主流となる
まえ、初期のサラシノールのSRでは、別府2005
とHeacock2005が採用されていました。そう考
えると、今回、別府2005が採用されたことは、
復活当選のような感じがしてきます。
そして問題は小崎2008です。この論文は、以下
の事例でも採用されているものと同じです。
J141 コタラエキス+(プラス)c
「本品には、ネオコタラノールが含まれます。
ネオコタラノールには、血糖値が高めの方の食
後血糖値の上昇を抑制する機能があることが報
告されています。」
この事例は、小崎2008、1報採用のSRです。し
かし、機能性関与成分はサラシノールではなく、
ネオコタラノールとなっています。
サラシノールもネオコタラノールもサラシア属
植物に含まれる成分で、どちらもグルコシダー
ゼ阻害活性をもちます。以前から、サラシノー
ルとネオコタラノールの間には論争の種があっ
たように思いますが、そこは白黒がつかないま
ま、採用論文の試験品がサラシノールとネオコ
タラノールのどちらで規格化されているかに
よって、なんとなくすみ分けされていました。
そこで今回の小崎2008ですが、これはネオコタ
ラノール規格のはずです。実際、J620のSRの本
文中においても、以下のように記載されていま
す。
「サラシア由来サラシノール含量は記載されて
いなかったが、α-グルコシダーゼ阻害活性は
248μg/mL と明記されていたことから、サラシ
ア属植物普及協会で作成した回帰式より、試験
食品の1 回摂取量に含まれるサラシア由来サラ
シノール量を0.668mgと推定した。」
この書きぶりだと、ネオコタラノールを機能性
関与成分とするJ141とは真っ向から対立するこ
とになりそうですが、どうなのでしょうか。こ
れまでのように白黒はっきりとは答えが出ない
のかもしれませんが、興味深いところですね。
それでは、またメールしますね。