機能性表示最新情報 449号 / 胃の負担の評価指標 

こんにちは。YDCのミッシーです。

それでは機能性表示最新情報をご紹介します。

L145 甘草 胃サポート
「本品には甘草由来グラブリジンが含まれます。
甘草由来グラブリジンは、一時的な胃の負担を
やわらげる機能があることが報告されていま
す。」

届出者は日油社、SRの作成も自社によるもので
す。「胃の負担をやわらげる」という訴求は、
この事例で4成分目となります。実はこの訴求の
初登場は意外に古く、D番台までさかのぼります。
以下の事例です。

D589 BF-1(ビーエフワン)
「本品には、B. ビフィダム Y株(B. ビフィダ
ム YIT 10347)が含まれるので、食後の胃の負
担をやわらげる機能があります。」

この他には、CMでお馴染みの明治のLG21乳酸

菌(初登場はH35)、こちらも割と新しい事例と

してキューバ産ミツロウアルコール(K1017)な

どがあります。各事例のSRが何を評価指標とし

て「胃の負担をやわらげる」という機能性を導い
ているかまとめると、以下のようになります。

※〇は有意差な結果があるもの(複数の項目か
らなる指標なので、2つ以上有意差があれば〇と
してます)
甘草由来グラブリジン
GERD-HRQL(〇)、GSAS(〇)、胃排出時間
(×)

キューバ産ミツロウアルコール
GSRS(〇)

LG21乳酸菌
胃の調子リッカートスケール(〇)、GSRS
(〇)、胃排出時間(〇)

YIT 10347
FSSG(〇)、GSRS(〇)、胃排出時間(×)

これを見ると、もっとも多く採用されているの
はGSRS。GSRSは逆流・腹痛・消化不良・下痢・
便秘のドメインを持つ指標で、消化器系を広域
にカバーして重症度を診断する主観的指標です。

2番目に多いのは胃排出時間。これはその名が示
す通り、胃から小腸へ食べ物が排出される時間
という客観指標です。

GERD-HRQL、GSAS、FSSG、この三つは、

GERD(胃食道逆流症)領域の尺度で、その中の

項目として、胃の膨満感などがあるといったも

のです。

胃の調子リッカートスケールは、リッカートス
ケールを用いた独自調査票と言ったところで
しょうか。

上でのように整理したうえで今回のL145を見て
みると、メインとなる主観評価はGERD系の指

標。客観指標である胃排出時間は、有意差なしと

いう結果。GERD-HRQLやGSASでは有意差が出

ているものの、胃に関する項目よりも、胸やけや

胃酸の逆流の改善の方が目立っているという印

象があります。しかし、胸やけは医薬品などにも

ある表現であるため、機能性表示食品としては難
しい表現。改善項目で胸やけや胃酸の逆流が目
立ったとしても、「胃の負担をやわらげる」と
いう表現に落とし込むしかなかった、と推測さ
れます。

キューバ産ミツロウアルコールはGSRSを採用し
ており、個別の項目で見ても胃の負担に関連す
る項目で有意な改善がみられています。YIT 
10347は、GSRSの項目では胃の負担に関連するも
のは改善していませんが、FSSGにおいて食後の
不快感やPostprandial epigastric 食後の上腹
部痛と言った項目で有意差が出ています。これ
が「食後の胃の負担をやわらげる機能」として
いることの有だと思われます。しかし、どちら
の事例でも客観的な指標がない、または有意差
が出ていない、というのが残念なところでしょ
うか。

そこからすると、LG21乳酸菌は客観評価で有意
差あり、主観評価も、空腹時の胃の不快感、胃
のもたれ感などで有意差ありのため、両者の方
向がそろっており、採用研究が2件と少ないこと
を除けば、エビデンスとしては硬い印象です。

4つ目の成分が受理されていることから、「胃の
負担をやわらげる」といった表現は、機能性表
示食品としては問題のない表現と言えそうです。
この訴求を検討する場合は、胃の負担に特異的
な評価指標は一般的ではないため、上で紹介し
てきたような指標を用いつつ、胃排出時間のよ
うな客観指標も合わせていくと(かつ方向性も
揃っている)、一貫性のあるエビデンスになる
なるのではないでしょうか。

それでは、またメールしますね。