こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
J320 日清MCT(エムシーティー)オイル c
「本品には中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン
酸)が含まれます。中鎖脂肪酸(オクタン酸、
デカン酸)は運動との併用で、中高年者の加齢
とともに低下する脚の筋力を維持することが報
告されています。」
TVCMなども盛んに行っている日清オイリオさん
のMCTオイル。その新たなヘルスクレームとし
て、脚の筋力の維持を謡っています。ただ、届
出資料には以下のような気になる点もあります
この商品の想定する主な対象者を見ると、「健
常者(25歳以上)」となっています。一方で届
出表示を見ると、「中高年者の加齢とともに低
下する・・・」となっていて、ミスマッチ感が
あります。どうしてこうなっているのでしょう
か。
SRを見ると、リサーチクエスチョンは「疾病に
罹患していない健常者(25歳以上)を対象に、
中鎖脂肪酸(オクタン酸、デカン酸)の摂取と
運動の併用により、プラセボ摂取群に比べ筋力
を維持する機能がみられるか」となっています。
ここで健常者の年齢を25歳以上としているのは、
25歳頃をピークとしてヒトの筋力は減少してく
るためだとしています。対象者設定の「健常
者(25歳以上)」というのはこの点を根拠とし
ていると思われます。
一方、J320のSRはKojima2023mの1報を採用し
ていますが、その対象者は60から75歳の健常な
男女となっています。おそらく、届出表示の
「中高年者の加齢とともに低下する・・・」は
この年齢層を意識してのことと思います(ただ、
中高年について明確な定義はないと思ますが、
一般的な感覚で言えば、40代もしくは50代程度
からなので、被験者の年齢層と比較すると、少
し座りが悪い感はあります)。
このように、年齢設定についてそれぞれ別の根
拠を用いているために、対象者と届出表示で年
齢の表現がちぐはぐになっていると考えられま
す。
リサーチクエスチョンとして「健常者(25歳以
上)」としていたとしても、エビデンスから得
られた結論が、「中高年者の加齢とともに低下
する脚の筋力を維持する」であるなら、対象者
も中高年などに統一した方が、誤解を生じさせ
ないのではないでしょうか。
それでは、またメールしますね。