こんにちは。YDCのミッシーです。
それでは機能性表示最新情報をご紹介します。
J298 バイタリ
「本品にはβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド
(NMN)が含まれます。 β-ニコチンアミドモ
ノヌクレオチドは、高齢者の歩く力や握る力
を維持することが報告されています。」
少し前から話題の成分であるNMNですが、
機能性表示としてはこれが2例目となり、以前
の事例は下記です。
I230 Refeelas(リフィーラス)
「本品にはNMN(ニコチンアミドモノヌクレ
オチド)が含まれるので、肌が乾燥しがちな方
の肌の潤いおよび肌弾力を維持し、肌の健康を
助ける機能があります。」
今回のJ298では、「歩く力」や「握る力」を訴
求していますが、気になったのは、「手の筋
力」に関するデータです。Igarashi 2022では
「左握力(kg)」についてp=0.019で群間有意差
あり、もう1報のBagen2021は「握力(kg)」につ
いてp=0.98で群間有意差なしという結果。
肯定1報、否定1報なのでかなり微妙な結果かと
思いますが、この点について詳しく説明はされ
ておらず、有効性について、「握力は2報中1報
でβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド群がプ
ラセボ群よりも向上していた」としているのみ
です。
しかしもっと気になるのは、Igarashi 2022の
データが「左握力」であるという点です。なぜ
左だけなのでしょうか。
実は論文を見てみると、右握力のデータも記載
されているのですが、J298ではこのデータを
拾っていません。右握力は群間有意差なしのた
め、あえて拾わなかったのでしょうか。
ちなみに、もう1報のBagen2021では、補足情
報を見ると、「握力」は利き手のものであると記
載されているので、特に問題はありません。
左握力だけを取り上げるのであれば、その理由
は明確にするべきだと思います。そうでないと、
恣意的なデータの選択をしているように見えて
しまいます。
特に、J298はPRISMA2020対応のSRとして
受理されています。しかし、データ抽出のプロセス
に不透明さがあるというのは、PRISMA2020の趣旨
に沿いません。J298のSRはその点が少し物足り
ないという感じではないでしょうか。
それでは、またメールしますね。