機能性表示最新情報 148 号 / ミドリムシの機能性関与成分は?

こんにちは。

YDCのミッシーです。

年度末のこの時期は、新規の成分が多く
受理される傾向にある気がしています。

ガイドラインの変更など、新年度からの改変を
控えて、一気に処理を進めてしまうから
でしょうか?

ともかく、今回ご紹介する事例も新規の成分を
用いた事例です。

E729 ミカレアのパラミロン

「本品は、独自のユーグレナグラシリス
  EOD-1株由来パラミロン(β-1,
  3-グルカンとして)を含むので、
  日常生活の身体的疲労感を軽減する機能が
  あります。」

ユーグレナと言えば、ミドリムシのことです。

ミドリムシを機能性関与成分にするとなると、
難しそうな気もしますがE729はどうしている
のでしょうか。

まず、機能性関与成分名に注目してみると、
ユーグレナグラシリスEOD-1株由来
パラミロン(β-1,3-グルカンとして)
とされています。

〇〇株という表記は乳酸菌の株菌を示すもの
としてよく登場しますし、〇〇由来については
基原確認を要する成分に使われます。

しかし、この二つを組み合わせた事例というのは、
このE729の他には一種類しかありません。

その一つが、アサヒさんの乳酸菌CP1563株由来の
10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)です。

E470 おなかスマート

「本品には独自の乳酸菌CP1563株由来の
  10-ヒドロキシオクタデカン酸(10-HOA)が
  含まれます。
  乳酸菌CP1563株由来の10-ヒドロキシオクタ
  デカン酸(10-HOA)には、おなかの脂肪
  (体脂肪、内臓脂肪)を減らす機能が報告
  されていますので、肥満気味の方に適して
  います」

作用機序を見ると、乳酸菌CP1563株破砕菌体の
中に含まれる活性物質が、

10-ヒドロキシオクタデカン酸であると記載
されています。

つまりは、乳酸菌とはついていますが、
機能性に関与する成分は「菌」などではなく、
10-ヒドロキシオクタデカン酸という物質に
過ぎないことになります。

E729のミドリムシの場合でも、同じように
考えられそうです。

機能性に影響を与える成分の本体は
パラミロン(β-1,3-グルカンとして)
ということです。

ミドリムシが破砕体なのかどうか、作用機序
には記載がありませんが、ユーグレナ
グラシリスEOD-1株は、パラミロン
(β-1,3-グルカンとして)を蓄積する
能力があるとされていますので、

10-ヒドロキシオクタデカン酸のロジックと
同じことでしょう。

よって、ミドリムシかどうかという点は、
あまり難しく考える必要はなさそうです。

基原が乳酸菌だろうとミドリムシだろうと、
基本的な〇〇由来の考え方であると
言えます。

それでは、またメールしますね。