機能性表示最新情報 116 号 / ルテイン・ ゼアキサンチンの新訴求

こんにちは。

YDCのミッシーです。
先日、こんな質問をいただきました。
「原料原産地表示に対応して、受理されたパッケージの
  変更届を行いたい。表示の対象となるのが、
  機能性関与成分を含む原材料なのだが、様式3なども
  変更するべきだろうか?」
移行期限まではまだ時間がありますが、そろそろ準備を
始める必要のあることですね。
この場合書き換えの対象となりそうなところは、
様式3の(1)機能性関与成分を含む原材料名、
それから製品規格書になると思います。
ただ、現在のガイドラインにはそういう記述は
ありません。
受理されている事例でも、様式3は原産地の記載が
あったりなかったりです。
よって無理に変える必要はないようですが、
念のために変える場合は、変更箇所が増えるので、
新旧対照表等記載漏れがないようご注意ください。
それでは、機能性表示最新情報 、今回の事例を
ご紹介いたします。
E119 SUNKINOU(サンキノウ) ルテイン

「本品にはルテインおよびゼアキサンチンが含まれています。
  ルテインおよびゼアキサンチンには、高齢者の加齢に伴い
  低下する、認知機能の一部である注意力(一つの事に
  集中したり、複数の物事に注意を向けられる能力)や
  思考の柔軟性(変化する身の回りの状況に応じて適切に
  考え方を修正し対処する能力)を維持する機能がある
  ことが報告されています。」
この事例の特徴は、ルテイン・ゼアキサンチンで初めて
認知機能を言えたこと、「思考の柔軟性」という初出の
表現が認められたことです。
それでは詳しく研究レビューを見ていきましょう。
(1)「思考の柔軟性」

 研究レビューのアウトカムとして、E119では認知機能と
 MPODを設定しています。

 このうち、認知機能で群間有意差のあった項目の一つに
 「認知的柔軟性」があり、そこから「思考の柔軟性」を
 導いています。

 次のような説明です。

 『「認知的柔軟性」とは、無関係な情報を抑制し
   これまでの「不正確な」反応パターンを脱抑制する
   能力ことで、ある視点・考え方から他の視点・
   考え方へ変更できる能力であったり、個人が不適応な
   考えを入れ替えたり、バランスのある思考や適応した
   思考を取り入れるなど、よりよい変化に必要な思考や
   態度の柔軟性といった解釈がなされている。』
(2)MPOD

 もう1つのアウトカムであるMPODは黄斑色素光学密度
 という指標で、目を訴求する場合によく登場する指標
 でもあります。

 E119では、MPODをアウトカムとして取り上げてはいる
 ものの、群間有意差はありません(介入群は群内
 有意差あり、対照群は有意差なし)。

 そこで、MPODを機能性の表現に直接関連付けることは
 せずに、次のように別紙様式5-4で説明するにとどめて
 います。

 「MPOD に関する研究では、脳内ルテインおよび
   ゼアキサンチンの濃度が MPODと高い相関関係に
   あることが実証されていることから、ルテイン
   およびゼアキサンチンの摂取によって MPOD の
   上昇が観察された場合、これら両成分の脳内濃度が
   上昇しているものと推測される。」

 また、この研究レビューの採用文献では対象者に
 日本人はいませんが、外挿性の説明としてもMPODを
 用いています。
 
 参考として、日本人のルテイン摂取でMPODが上昇した
 事例をあげ、上記で示した脳内ルテイン濃度との関係を
 理由にして、認知機能の日本人への外挿性に問題はない、
 としているわけです。
(3)含有量

 E119の有効量は、ルテイン10mg、ゼアキサンチン2mgです。

 これは、これまで目を訴求していた事例と同じ値となって
 いるので、ルテイン・ゼアキサンチンの機能性の訴求が
 純粋に1パターン増えたということです。

 今までも認知機能と目のダブルクレームの事例は
 幾つかありましたが、その場合はイチョウ葉と
 アントシアニンの組み合わせでした。

 今回の研究レビューの登場で、今後は新たな選択肢が
 生まれます。

 認知機能と目のダブルクレームにしたい場合でも、
 関与成分を追加する必要がないということで、費用面でも、
 届出のやり易さの面でも、手頃になったと言えるのでは
 ないでしょうか。

ではまたメールしますね。