機能性表示最新情報 76 号 / 摂取量を複数のパターンで記載する事例

こんにちわ。YDCのミッシーです。
今週の機能性表示最新情報 は「イヌリン」の
事例紹介です。
以前イヌリンを取り上げた時に、摂取量を変えることで
色々な訴求が出来ることをご紹介したのですが、

今回の事例は、その色々な訴求を1つにまとめた豪華版です。
D48 美食家の知恵 プレーン

「本品にはイヌリンが含まれています。

  イヌリンは血中中性脂肪を下げること、食後の血糖値の
  上昇をゆるやかにすることが報告されています。

  さらに、イヌリンは善玉菌として知られている
  ビフィズス菌を増やすことで、お腹の調子を整えることが
  報告されています。

  本品は血中中性脂肪を下げたい方、食後の血糖値が
  気になる方、お腹の調子を整えたい方に適した食品です。」
届出者はクラシエフーズさん。
SRを3つも使用した事例となっています。
まずSR-A。

採用文献は6報。

(1)Russo F、(2)Letexier D、(3)Jackson KG、(4)Brighenti F、
(5)Pedersen A、(6)Luo。

(5)(6)以外はC240と同じです。
この中から149mg/dl以下を対象とする論文をピックアップすると、
有意差があったものは(2)(4)だけです。
文献6報の摂取量は8.1g(2)~19.4g(6)で、(2)で有意差が
あったことから、摂取量を8.1g以上としています。
つぎにSR-B。

採用文献は3報で、C240と同じSRです。
文献はいずれも空腹時血糖値125mg以下を対象者としており、
アウトカムはiAUCのみ。3報全てに有意差があり、
イヌリンの摂取量は5.2g~10.8gです。
最後にSR-C。

採用文献は17報。
アウトカムは便中ビフィズス菌量、便中乳酸菌量、排便回数、
排便量となっており、いずれも有意差がありましたが、
表示に反映されたのはビフィズス菌だけとなっています。
摂取量は4.5~35g。
この事例がユニークであるところは、一日当たりの
摂取目安量の記載です。
上記のSRを反映して、摂取量について複数のパターンを
提示しています。
次のようになります。

「血中中性脂肪を下げたい方は一日2袋を目安に、
  食後の血糖値が気になる方は1回1袋を目安に 
  一日2回まで、お腹の調子を整えたい方は
  一日1袋を目安に、食事とともにお召し上がり
  ください。」
ちなみに1袋5.4g、2袋10.8gです。
これと似た事例は以前にもありました。
B350 アスタキサンチンサプリT

「本品には、アスタキサンチンが含まれます。

  アスタキサンチンには、手元のピント調節機能を助け、
  眼の疲労感や視界のぼやけ、眼の使用による
  肩や腰の負担を軽減することが報告されています。

  手元の文字をしっかり見たい方、パソコン作業など
  による、眼の疲労感や視界のぼやけ、肩や腰の負担が
  気になる方に適した食品です。」
一日当たりの摂取目安量の記載はこうです。

「手元の文字をしっかり見たい方は、1日あたり1粒を
  目安にお召し上がりください。

  眼の疲労感や視界のぼやけ、肩や腰の負担が気になる方は、
  1日あたり2粒を目安にお召し上がりください。」
この事例の場合は、SRは一つ。
アウトカムごとの摂取量に注目して、手元のピント調節機能は
6mg以上、目が疲れる、目がかすむ、肩・腰がこるは、
9mg以上、としているものでした。
摂取量を変えることで、訴求の内容も変わるというのは
とても面白いですが、

いつか消費者庁から「消費者の誤解を招かないか?」などと
言われないか、少し不安にもなります。
ではまたメールしますね。
PS

機能性表示はどんどん複雑化しています。
今まで通っていたものが通らなくなるケースも多発しています。
通り一遍の届出書類を作って受理されても撤回の
浮き目に逢ったのでは損失大です。

詳しくは、9月5日のセミナーで説明します。
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