機能性表示最新情報 191号 / 膣内訴求の登場!

こんにちは。YDCのミッシーです。

年度末まであとわずかとなりました。

今年度は免疫の受理の外、
今までなら認められなかったような
届出表示が多く受理されたように思います。

そしてここへきてまた、新しい領域の扉を開く
事例が現れました。

それでは早速、
そんな機能性表示最新情報のご紹介です。

F783 ココラクト
「本品には乳酸菌GR-1(Lactobacillus rhamnosus)
 および乳酸菌RC-14(Lactobacillus reuteri)が
 含まれます。
 乳酸菌GR-1および乳酸菌RC-14には、膣内環境を
 良好にし、膣内の調子を整える機能が
 報告されています。」

2つの乳酸菌で、1つの機能を訴求する
というタイプの届出表示となっています。

しかも訴求している「膣内」というワードは、
今回初めて登場したものです。

こういう「性」をイメージするような訴求は
なかなか難しいという印象でしたが、
ついに突破されたというところでしょうか。

こういう新しい表現の場合に注目したいのは、
届出表示を導く効果指標の妥当性について
どう説明しているか、健康の維持・増進の範囲で
あることをどう確認しているか、という2点です。

まず効果指標については、
F783は3報採用のSRで、指標はすべてNugentスコア
となっています。

このスコアについては、

「細菌性膣症に対する診断方法として
 日本でも、また世界的にも汎用され、
 且つ認められている方法であり、
 厚生労働省からも抗菌薬の臨床評価方法に
 関するガイドラインにおいて公開されている」
としており、この点の説明は十分です。

次に、健康の維持・増進の範囲であることの
説明についてはこうです。

膣内の細菌叢が有機酸を産生することで、
膣内のpHを酸性に傾け、

「このような酸性の環境が病原性を有する
 いわゆる悪玉菌の発育を抑制し、
 膣内を感染あるいは早産等から守っている
 役割があるとされている」
 
これもクリアできています。

ところで、SRの結論を見ると、
次のような気になる記載があります。

「機能性関与成分である GR-1 および RC-14 には
 膣内の乳酸菌を増やし、膣内細菌叢の
 正常化作用を介した健常者の膣内環境の健康を
 保持する効果があることについて
 科学的な根拠を有し、本品に含まれる
 機能性関与成分の GR-1 および RC-14 は、
 膣内の不快感や臭いが気になる
 成人女性に適した食品であると考えられた。」
 

「膣内の不快感や臭いが気になる成人女性」

とあります。

また作用機序の一部でも、

「膣の不快感、独特な 臭いを伴う細菌性膣症」

といったことに言及されていることを考えると、
当初はそこまで狙っていたのかもしれません。

しかし、
健康の維持・増進の範囲に収めるために、
今の届出表示になったということかも
しれませんね。

それでは、またメールしますね。