機能性表示最新情報 192号 / 認知機能と気持ち・気分の関係

こんにちは。YDCのミッシーです。
 
食用油の需要が拡大してきている
というニュースを見ました。
 
健康に良いという方向へイメージ転換したことが
その要因とか。
 
ちょっと気になったので調べてみると、
機能性表示で食用油関係の事例が増えている
という感じではありませんでした(10件程度)。
 
キューピーさんや日清オイリオさんなどの
大手の事例がメインで、
これらの商品がシェアを伸ばしている
と言うことかもしれません。
 
いずれ我が家の油も
機能性表示食品に置き換わるのでしょうか?
 
 
さて、
それでは今回の機能性表示最新情報のご紹介です。
 
 
F803 脳活セブンアミノ
 
「本品は7種必須アミノ酸〔ロイシン、
 フェニルアラニン、リジン(塩酸塩として)、
 イソロイシン、ヒスチジン(塩酸塩として)、
 バリン、トリプトファン〕が含まれるので、
 記憶力の衰えを感じている健康な中高年の方の、
 加齢によって衰える認知機能の一部である
 注意力(複数の物事に注意を払える力、
 重要な物事に素早く注意を向ける力)と
 認知的柔軟性(外部からの情報等の
 刺激に対して考え方を柔軟に変える力)
 を維持し、前向きな気持ち(明るく楽しい
 気分、意欲的・活動的な状態など)を
 サポートする機能があります。」
 
届出者は味の素さんで、RCTによる届出です。
 
 
味の素さんで必須アミノ酸と言えば
アミノエール・シリーズを思い浮かべますが、
あちらとはアミノ酸の構成比率が異なります。
 
また訴求の面でも、
F803は、Trail Making Testを指標として、
分配的注意と転換的注意に有意差があったことから
認知機能を導き、WHO-5-Jのスコア改善と
設問の内容から、前向きな気持ちを導いています。
 
認知機能と心の健康という二つの機能性を、
一つの論文で謡っている事例と言えそうです。
 
 
実はこれとよく似た事例があります。
それがこちら。
 
F574 PharmaGABA Memory(ファーマギャバメモリー)
 
「本品にはGABAが含まれています。
 GABAには加齢によって低下する認知機能の
 一部である、記憶力(見たり聞いたりしたこと
 を思い出す力)、空間認知力(物の位置、形、
 向きなどを正確に把握する力)、論理的思考力
 (筋道を立てて物事を考え、答えを導き出す
 力)、持続的注意力(注意を持続させながら、
 作業を続ける力)、ワーキングメモリー
 (作業に必要な情報を整理し、短期的に記憶
 する力)を維持する機能、および中高齢者の
 活力(元気や活気がわいてくる気分)、
 心の健康(楽しくおだやかな気分でいること)
 を維持する機能があることが報告されています。」
 
 
ファーマフーズさんのGABAです。
 
こちらはSRによる届出ですが、
やはり二つの機能性を一つのSRで訴求する
という形になっています。
 
それぞれの事例の作用機序を見てみると、
F803では、認知機能の説明を主としながら、
心の健康についても「うつ様症状には
脳の炎症との関連が報告されており、
本結果は、動物研究で報告された脳内炎症の
抑制や意欲や幸福感に関わる神経伝達物質の
濃度の改善が関与している」
 
としています。
 
7種必須アミノ酸と心の健康の関係について
直接的に説明したもので、
オーソドックスな作用機序だと言えます。
 
 
他方、
F574では
 
「生活の質(QOL)は認知機能によって影響を
 受け、認知機能と相関することが知られている」
 
として、認知機能の改善が
QOL=心の健康につながるというロジックです。
 
 
こちらの場合は、GABAと心の健康の関係を
直接は論じず、認知機能の改善という
ワンクッションを挟んだものになっています。
 
心の健康との関係を明確化するための
GABAでの文献が不足しているために、
こういったロジックをとったのかもしれません。
 
 
ところで、これがOKなのであれば、
他の認知機能の成分の場合でも、
このロジックによる作用機序は
使用でき そうな感じがします。

認知機能と合わせて
心の健康も訴求してみたい時には
良いかもしれませんね。
 
 
それでは、またメールしますね。