機能性表示最新情報 164 号 / 特殊な構成の2成分1訴求の事例

こんにちは。

YDCのミッシーです。

今週あたりから、消費者庁の機能性関与成分に
関する検証事業として、

昨年度受理された各社へ、分析資料に関しての
追加資料請求が送られているようです。

毎年度のことですが、今年はコロナの影響も
あって分析に時間がかかったりなどが
考えられますので、対象となっている方々は
ご注意ください。

それでは、今回の機能性表示最新情報の
ご紹介です。

F151 ヤクルト400W

「本品には生きたまま腸内に到達する乳酸菌
  シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)と
  ガラクトオリゴ糖が含まれます。
  乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)と
  ガラクトオリゴ糖には、良い菌(乳酸菌、
  ビフィズス菌)を増やして腸内の環境を
  改善し、お通じを改善する機能があること
  が報告されています。」

届出者はヤクルトさん。

SRの採用文献は12報ですが、ちょっと特殊な
構成をしています。

その構成を説明する前に、次の事例を
見てください。

E493 血圧サポートa

「本品にはトリペプチドMKP(メチオニン-
  リジン-プロリン)とγ-アミノ酪酸(GABA)
  が含まれます。
  トリペプチドMKP(メチオニン-リジン-
  プロリン)とγ-アミノ酪酸(GABA)は、
  高めの血圧を下げ、正常な血圧を維持する
  機能が報告されています。
  血圧が高めの方に適した食品です。」

E493はF151と同様、2成分1訴求となって
いますが、その構成は次のようになって
います。

[1]トリペプチドMKPで血圧訴求SR

[2]GABAで血圧訴求SR

[1]と[2]を合わせて、一つの届出表示(血圧)。

この場合、[1]と[2]は同じ血圧を訴求しては
いるものの、それぞれが独立したSRとなって
います。

また、[1]と[2]を同時摂取した場合については
言及せずに、2つのSRを1つの届出表示に統合
するという形をとっています。

E493もそれなりの変化球ですが、F151はそこへ
さらにもう一手加えたようなものになって
います。

それではもどってその構成を見ていきましょう。

F151は乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖の
2成分で、訴求は整腸です。

しかし、こちらはE493とは違い、SRは一つしか
ありません。

別紙様式5-3には次のようにあります

「2つの成分それぞれ単独で摂取した研究と、
  さらに両成分を同時摂取した場合の機能性を
  確認することも重要と考え、同時摂取した
  場合の研究も評価対象となるように PICOを
  設定し、レビューを作成した。」

つまり、F151では乳酸菌シロタ株と
ガラクトオリゴ糖についてそれぞれSRを
作るのではなく、

乳酸菌シロタ株のみ、ガラクトオリゴ糖のみ、
両方を同時に摂取という3つを、1つのSRに
押し込んだものとなっています
(E493とF151の構成比較>>>
https://www.yakujihou.com/merumaga/20200801.pdf )。

このため、12報の採用文献についても、
乳酸菌シロタ株を扱ったものが8報、
ガラクトオリゴ糖が3報、同時摂取が1報です。

同時摂取の1報については、被験者が女子学生
ということから、エビデンスとしては不足と
考え、このような形をとって補強を図った
のかもしれませんね。

それでは、またメールしますね。