機能性表示水面下情報 20 号/ブラックジンジャーの関与成分

特集 ブラックジンジャーの関与成分
1.ブラックジンジャー(または黒ショウガ)
   エキスを原料とした商品が多くある。

   機能性の表示は、歩行能力の維持、握力・
   自転車運動能力の改善、脂肪代謝であるが、
   いずれも同じ作用からもたらされる機能と
   言える。
2.最初の届出はB62(届出日;2016年6月2日、
   機能性の表示;歩行能力の維持)で、
   採用文献は1報(J Wattanathorn 2012)
   だった。

   関与成分は、「ブラックジンジャー由来
   5,7-ジメトキシフラボン」で、作用機序に
   おいて他成分の関与についての言及は
   なかった。

   その後、同内容のSRでB496(届出日;2017年
   1月31日)が届け出された。
3.B496以降、消費者庁と原料メーカーとの間で
   関与成分に関するやり取りがあった模様。

   1年8か月後にD187(届出日;2018年9月12日)
   が届け出される。

   採用文献はそれまでのSRと同じく
   J Wattanathorn 2012の1報のみであるが、
   関与成分がブラックジンジャー由来
   ポリメトキシフラボンに更新された。

   ブラックジンジャーエキス中の、
   5,7-ジメトキシフラボン以外の成分も
   機能性に関与しているという説明が
   加わった。

   作用機序では、「ブラックジンジャーには
   ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン
   (3,5,7-トリメトキシフラボン、
   3,5,7,4-テトラメトキシフラボン、
   3,5,7,3,4-ペンタメトキシフラボン、
   5,7-ジメトキシフラボン、
   5,7,4-トリメトキシフラボン、
   5,7,3,4-テトラメトキシフラボン)が
   含有」されており、「ブラックジンジャー
   抽出物及びポリメトキシフラボンには
   いずれも有意な脂肪分解促進作用が認められ、
   ブラックジンジャー抽出物および
   ポリメトキシフラボンは同等の作用を
   有しており、ポリメトキシフラボン以外の
   成分は機能性に関与しなかったことから
   ブラックジンジャー抽出物の脂肪分解促進
   作用に対するポリメトキシフラボンの
   寄与率はほぼ100%である」としている。

   以降、同様のSRで多数の商品が届出されて
   いる。
4.他方、これまでとは違う原料メーカーが、
   D352(届出日;2018年11月30日)を
   届け出た。

   機能性の表示は、「握る力・立ち上がる力
   ・自転車運動をサポートする機能」である。

   採用文献は2報で、J Wattanathorn 2012の
   他にToda 2016が加わった。

   関与成分は、5,7-ジメトキシフラボンと
   5-ヒドロキシ-7-メトキシフラボンである。

   作用機序では、「黒ショウガ抽出物に
   含まれるポリメトキシフラボン類の
   活性寄与率を算出した結果、含有量と
   10 uMでのGlut4遺伝子およびPGC1alpha
   遺伝子の発現度合いから、
   5,7-ジメトキシフラボンが92%以上活性に
   寄与していることが判明した。

   5-ヒドロキシ-7-メトキシフラボンの
   寄与率は8%以下であった。

   なお、5-ヒドロキシ-3,7-ジメトキシフラボン、
   5-ヒドロキシ-3,7,4-トリメトキシフラボン、
   5-ヒドロキシ-3,7,4,5-テトラメトキシフラボン、
   3,5,7,4,5-ペンタメトキシフラボン、
   5,7-4-トリメトキシフラボン、
   3,5,7,4-テトラメトキシフラボンには
   Glut4遺伝子およびPGC1alpha遺伝子ともに
   10 uMで有意な発現増強が認められなかった
   ことから、活性への寄与はない(寄与率は0)。」
   とした。
5.D187とD352は実質的に相容れない内容と
   なっており、今後の消費者庁の対応が
   注目される。

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