機能性表示水面下情報 19 号/エキス系関与成分の捉え方

1.水面下情報:「エキス系関与成分の捉え方」
(1)「AエキスB」の関与成分の捉え方には、
     これまで[1]「AエキスB」と捉える、
     [2]「B」と捉える、[3]「Aエキス」と
     捉える、の3手法があります。
(2)ところが、2で取り上げるE294は
     「茶花エキス」の”主要な”サポニンは
     チャカサポニン1、チャカサポニン2、
     チャカサポニン3であるとし、関与成分を
     「茶花サポニン」と捉え(多分、
     茶花サポニンはチャカサポニン1、
     チャカサポニン2、チャカサポニン3の
     総括概念という趣旨)、その定量を
     チャカサポニン1、チャカサポニン2、
     チャカサポニン3の合算値としています。
     従来の考え方からすれば、チャカサポニン1、
     チャカサポニン2、チャカサポニン3の3つを
     関与成分とするか、茶花サポニン
     (チャカサポニン1、チャカサポニン2、
     チャカサポニン3として)とするかのように
     思えますが、そのいずれとも異なり
     Drasticなロジックです。
(3)当局の受け止め方をリサーチしてみたい
     と思います。
■・メルマガではお伝えできない情報もあります。
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2.注目すべき受理事例
E294(YDC機能性表示データブック1-4-20-2-26>>
https://www.yakujihou.com/kinousei/kinou_db/1-4-20-2-26/ )
*3パターンの摂取量と関与成分の
 ドラスティックな捉え方。
A.商品名:カロリミット a
B.届出者:株式会社ファンケル
C.届出表示:
  本品には桑の葉イミノシュガー・キトサン・
  茶花サポニンが含まれます。本品は、食事の
  糖や脂肪の吸収を抑えて、食後の血糖値と
  血中中性脂肪値の上昇を抑える機能が
  あります。本品は糖、脂肪が多い食事を
  とりがちな方に適しています。
D.YDCのコメント:
■RCT
論文1報([1]松岡ら2019)。
1回3粒、723mg当たりの機能性関与成分:
[1]1.75mg、[2]100mg、[3]0.85mg
2回6粒、1446mg当たりの機能性関与成分:
[1]3.5mg、[2]200mg、[3]1.7mg
3回9粒、2169mg当たりの機能性関与成分:
[1]5.25mg、[2]300mg、[3]2.55mg
■血糖値
ダブルブラインドクロスオーバー。
糖尿病でない20歳以上65歳未満の日本人成人
男女40名([1]空腹時血糖値が125mg/dL以下、
[2]米飯摂取後30分又は60分の血糖値が
140mg/dL以上、[3]米飯摂取後120分の
血糖値が199mg/dL以下、の3条件を全て満たす
者)が被験者。
米食摂取後120分後までの血糖値とインスリン値
を評価。
ウォッシュアウト6日。
解析対象40名。
食後血糖値の変化量の曲線下面積、食後30分後
及び60分後における血糖値に関し群間有意差。
また、食後インスリン値の変化量の曲線下面積、
食後30分後および60分後におけるインスリン値の
変化量についても、群間有意差。
■中性脂肪
ダブルブラインドクロスオーバー。
空腹時血中中性脂肪値が200(mg/dL)未満の
20歳以上65歳未満の日本人成人男女50名が
被験者。
高脂肪食:バター、ラードを溶かした
コーンクリームスープ摂取後、6時間後までの
血中中性脂肪値、レムナント様リポ蛋白
コレステロール値(RLP-C)を評価。
ウォッシュアウト6日。
2例棄却し解析対象48名。
食後の血中中性脂肪値の変化量の曲線下面積、
食後3、4、6時間後の血中中性脂肪値の変化量に
関し群間有意差。
また、食後RLP-Cの変化量の曲線化面積、食後
3、4、6時間後のRLP-Cの変化量についても、
群間有意差。
■関与成分
・従来型(C137)では、A、ギムネマ酸;9.4mg/日、
  B、桑の葉由来イミノシュガー(ファゴミンとして)
  ;0.2mg/日、C、エピガロカテキンガレート;
  14mg/日、D,キトサン;100mg/日、E、
  インゲン豆由来ファセオラミン;0.29mg/日、
  F、ペンタメトキシフラボン;2.25mg/日。
  新型は、B、D以外は捨て、代わりに、G、
  茶葉サポニンを投入しています。
・茶葉サポニンについては、「茶花エキスの
  メジャーな成分としてサポニンが、マイナーな
  成分としてフラボノイドとカテキン類が
  報告されている。
  茶花由来のサポニンには膵リパーゼ阻害活性が
  あり 脂肪の分解を阻害し腸管からの脂肪の
  吸収を抑えることで,食後血中中性脂肪の上昇を
  抑制する。
  一方、茶花に含まれる主要なフラボノイドである
  フラボノールグリコシド(ケンフェロール
  3-O-β-D-グルコピラノシル(1→3)-α-L-
  ラムノピラノシル(1→6) -β-D-グルコピラノシド)
  には食後血中中性脂肪値上昇抑制作用が認められない
  こと、カテキン類のエピカテキンガレート、
  エピガロカテキンガレートには膵リパーゼ阻害
  活性が認められないことが報告されている」
  として、フラボノイドとカテキン類を否定します。
・そして、”「茶花エキス」の主要なサポニンは
  チャカサポニン1、チャカサポニン2、
  チャカサポニン3であるが、これらサポニンは、
  in vitroで膵リパーゼ阻害作用があることが
  報告されており、さらに in vivoで摂食物の
  胃排出抑制作用、単回摂取後の食後血糖値上昇
  抑制作用および食後血中中性脂肪値上昇抑制
  作用が確認されているが、上記フラボノール
  グリコシドには胃排出抑制作用、食後血糖値
  上昇抑制作用および食後血中中性脂肪値上昇抑制
  作用がないことが報告されている 。
  また「茶花エキス」に含まれている他のサポニン
  について、デスアシルフローラテアサポニンには
  膵リパーゼ阻害作用がないことが報告されている 。
  また、茶葉由来のサポニンには脂質ミセル形成
  阻害作用が報告されている 。
  このことから届出者が茶花サポニンも同様の
  作用を持つと考えて検討を行った結果、
  茶花サポニンを含む茶花原料が脂質ミセル形成を
  阻害することが確認された。”として、
  茶葉エキスの中の3成分に収れん。
・そこで、”製品中のチャカサポニン1、
  チャカサポニン2、チャカサポニン3を
  定量分析し、3成分の合算値を「茶花サポニン」
  として機能性関与成分とした。”としています。
・イミノシュガーについても、同様のロジック、
  ”「桑の葉エキス」中のイミノシュガーには
  α-グルコシダーゼ阻害作用を有し,糖質の分解を
  阻害し腸管からの吸収を抑えることによって、
  血糖値の上昇を抑制することが in vivo、
  臨床試験で確認されている 。
  イミノシュガーには 1-デオキシノジリマイシン、
  2-O-α-D-ガラクトピラノシル-1-デオキシノジリ
  マイシン、ファゴミンの 3 成分 が同定されている 。
  そこで、製品中の 1-デオキシノジリマイシン、
  2-O-α-D-ガラクトピラノシル-1-デオキシノジリ
  マイシン、ファゴミンを定量分析し、3 成分の
  合算値 を「桑の葉イミノシュガー」として
  機能性関与成分とした。
  ”を展開し、従来の(ファゴミンとして)から
  転換しています。
■一日摂取量
3パターンに分けるという新機軸。
E.所感:
・一日摂取量については、薬事の虎9月21日 号
  参照。
・関与成分のドラスティックな捉え方に
  ついては、1の水面下情報を参照して
  ください。
お悩みの方は私どもにご相談ください。
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いかがでしたか?
また、メールしますね。